たからの窯 講師 造形作家 塚本直美さん(38歳)

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たからの窯 講師 造形作家 塚本直美さん(38歳)

たからの窯 講師
造形作家 塚本直美さん(38歳)

心がなびく方向へ
素直に歩いていきたい

 2010年、北鎌倉の浄智寺内にオープンした「たからの窯」は、古民家を再生した作陶スペース兼陶芸体験教室。自然と融合する同窯の魅力を探るとともに、講師で陶芸家の塚本直美さんに陶芸への思いを語ってもらいました。

いつも人生の隣にあった陶芸への憧れ

 浄智寺へ向かうなだらかな坂道から分岐する、1本の細道。「たからの窯」は、その野趣溢れる道の先に広がる谷戸にポツンと佇んでいます。入口に近づくと、作業の手を止め、さりげなく中へ誘導してくれた塚本さん。やわらかな物腰がここでの穏やかな時間を物語るかのようです。

 そんな塚本さんですが、日本に拠点を移したのは2年前のこと。それまではアメリカの大学で陶芸を教えていました。その原点となったのが、鎌倉の高校を卒業後に留学したミシガンの大学で陶芸と出合ったこと。「当時、陶芸コースを担当していたのが、京都で修行をしたアメリカ人の先生で、夏期集中コースに参加したのをきっかけに、手びねりによる造形の魅力にはまっていきました」

 その後、心理学が専門だったことから福祉の仕事と陶芸を融合させていた塚本さんは、いったん帰国した日本でアーティストインレジデンスに参加。そこで、「あなたはめずらしいタイプだからもっと陶芸を勉強したほうがいい、と助言をもらって。本格的に造形作家の道を志すようになったんですね。そして大学院で陶芸を専攻したあと、ニューヨーク市立大学とミシガンの母校で講師を務めました」

「たからの窯」から地域コミュニティーアートを

 「若いうちは物作りの環境を求めてあちこち移動して、30代で拠点を持つ、というのがアメリカ流の考え方。ちょうど、日本で本格的に活動してみようと決心したころに、たからの窯の体験教室の準備を始めていた地元の仲間からお誘いを受けました。日本に落ち着くならやはり地元がいいと思っていたので、自然な流れで関わっていけましたね。そしてピンときたのは、北鎌倉の自然の中に地域コミュニティーアートが育つのではないかという思いでした」

 「何かを表現することはとても楽しいこと。使うことも含めて陶芸をもっと身近に感じてもらいたい」と語る塚本さん。その言葉には、どんなときも自分の気持ちに素直に生きてきた人の、確かなぬくもりがありました。

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レトロモダンが魅力の
たからの窯スタイル

 たからの窯の陶芸体験教室では一風変わった手法を採用。土のかたまりを内型にのせてトウデンビラというハンマーでたたいてのばし、形を整えます。その上に敷地内で見つけた葉っぱをのせたら、白化粧を施し、葉っぱをはがして乾燥させます。原始的かつモダンな手法には、「簡単だから」というひと言では語り尽くせない魅力があります。
何枚でも作りたくなる素朴な器たち
何枚でも作りたくなる素朴な器たち
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プロフィル

東京生まれ、藤沢市鵠沼育ち。信楽県立陶芸の森アーティストレジデンス、コロラド大学大学院美術研究科を修了後、ニューヨーク市立大学やミシガン州の母校で講師を務める。2009年に帰国後、2010年に日本での初個展を開催。現在はたからの窯と東京の陶芸教室に勤めながら、アメリカの陶芸雑誌に日本の陶芸を紹介する文を連載中

▼谷戸の自然に癒やされながら
  世界にひとつだけの器を

 たからの窯が立つのは400〜500坪はあると思われる浄智寺の敷地内。緑の谷戸には陶芸の薪窯や底深い井戸もある希少な環境です。古民家再生プロジェクトの一環として、昭和初期に栄えた窯元を鎌倉の文化やアート、生活スタイルの発信拠点にすべく2010年より半年をかけて再生し、多くの人が陶芸を楽しめる場所となりました。
 半日陶芸体験教室のほか、講師企画の教室では塚本さんの指導でカフェオーレカップを作る、手びねりのワークショップも。また、12月1日(木)〜4日(日)、たからの窯の女性講師3人が、たからの庭で開かれる「ユニット展」に作品を出展。自然とふれあう感覚で気軽に出かけてみませんか。

住所:鎌倉市山ノ内1418、たからの庭内
営業時間:午前10時〜午後5時、不定休
問い合わせ:TEL0467-32-9112(けやき工房内)
http://www.takaranokama.com/

土からはえてきたような素朴な建物。日だまりの庭にはガーデンテーブルも 土からはえてきたような素朴な建物。日だまりの庭にはガーデンテーブルも
[情報掲載日:2011.11/24]