ミューザ川崎シンフォニーホール オルガニスト 大木麻理さん(33歳)


私にとってのカワサキって… 新しい感動を見つける場所

ミューザ川崎シンフォニーホール オルガニスト
大木麻理さん(33歳)

オルガン音楽の魅力そのものを
一人でも多くの人の喜びに

プロフィル

東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。ドイツ学術交流会、ポセール財団の奨学金を得てドイツ・リューベック国立音楽大学、デトモルト音楽大学に留学し、満場一致の最優等で国家演奏家資格を得て卒業。第3回ブクステフーゲ国際オルガンコンクール優勝ほか、国内外で受賞。2016年、ミューザ川崎シンフォニーホール主催「オルガンの未来へIII」の公演企画オーディションにおいて意欲的なプログラムが評価され企画が採用。2018年4月より現職

 「音楽のまち かわさき」の代名詞でもある「ミューザ川崎シンフォニーホール」。今年4月から専属のオルガニストとして活躍中の大木麻理さんに話を聞きました。

希望の源となった“巨大なおもちゃ”

 「母がピアノの教師で幼少の頃からピアノを習っていました。でも純粋に楽しいとは思えなかったんです。もしピアノだけだったら、今は音楽をやっていないと思います」
 そうさらりと話すのは、きゃしゃな体に華やかさと凛々しさを宿すオルガニストの大木麻理さん。3歳にしてすでに発表会の舞台に立っていたことからも恵まれた才能は明らか。自分の気持ち以上に周囲の期待も大きかったようです。
 そんな彼女に転機が訪れたのが小学5年生のとき。当時教会でオルガンの奏楽を引き受けていた母親とともに、地元静岡県にオープンするコンサートホールに設置されるオルガンの見学会に参加。そこで製作中のパイプオルガンの構造を目にし、実際に触って音を奏でてみたのです。
 「鍵盤を手で弾くだけでなく、足でも弾き、いろいろな装置が付いている。楽器としての面白さにグッときました。まさに“巨大なおもちゃ”を手にしたような感覚ですね。生意気にも、これならやってもいいよと母に告げました」
 その後は、水を得た魚のようにオルガンの道へ。日本でオルガンを続けていくための最善の道を素直に受け止め、努力を積み重ねていきました。「芸大のオルガン科は1学年2〜3人ですが、学年の垣根を越えてみんなで刺激し合う環境でした。必死だったので苦しかったという記憶はありません」と大木さん。希望はすべての力の源。未来に向けて才能を伸ばす一つの鍵であることは事実のようです。

届けたいのは、“オルガン浴”の心地よさ

 パイプオルガンはその名の通り、パイプに風を通して音を出す楽器。パイプ1本で1つの音を出すため、フルートやバイオリンなど異なる音色をそろえるためにはその分のパイプが必要となり、結果、何千本ものパイプが内部に林立する構造になります。その“巨大なおもちゃ”を駆使する奏法で大木さんが最も大切にしているのが、どこをどんな音色で弾くかを決める「レジストレーション」なのだとか。
 「一曲をどう構成するかを決める点で、オルガンは一人オーケストラ。あなたならどう演出する?という点が個性になるんですね。私が尊敬するオルガニストはドイツ留学で師事したアルヴィート・ガスト先生ですが、彼は伝統に則った正統派でありつつも“魔法のスパイス”をぱっと一振りしたような演奏をするんです。そのタイム感は私自身の音楽性にも通じていますし、何よりも目指すところです」その奏法は“男性的”といわれるという大木さん。演奏中は雑念がなくなり、純粋に心がハッピーになるそうです。
 「パイプオルガンは音が頭上から振ってくる、珍しい楽器。まずは難しく考えずにホールへ足を運んでいただき、癒やしにも、パワーアップにもつながる“オルガン浴”を体験してもらいたい。それが今の私の希望です」

奏者と聴衆の一体感を実現
世界的にも有名な円形ホール

 大木さんいわく、「ミューザ川崎は演奏していても客席で聴いていても気持ちがいい」とのこと。それは、舞台を客席が取り囲むヴィンヤード(ぶどう畑)形式を採用しているために舞台と客席との距離が近くなり、臨場感と一体感が生まれるから。また、同ホールのオルガンのパイプの総数は5248本、音色(ストップ)は71種類と世界有数の規模を誇ります。大木さんの演奏を間近で鑑賞してみてはいかがですか。

■ミューザ川崎シンフォニーホール
TEL044-520-0100
住所 川崎市幸区大宮町1310
http://www.kawasaki-sym-hall.jp

大木さん流
オルガン音楽を体感できる
サマーイベントへ出掛けよう

 今夏、ミューザ川崎シンフォニーホールで大木麻理さんの演奏が聴けるコンサート&イベントを紹介。大木さん流の“魔法のスパイス”を感じ取ってみて! 詳しくは、「ミューザ川崎シンフォニーホール」のホームページ(上)へ。

◆ミューザの日2018 ウェルカム・コンサート
「オーケストラ入門!」

日時 7月1日(日)午後2時開演
 ミューザの開館記念日で川崎市制記念日でもある7月1日に開催されるウェルカム・コンサート。6回目となる今年は、マエストロ・秋山和慶&東京交響楽団による大迫力のオーケストラから楽器の紹介、大木さんのパイプオルガンの演奏、指揮者体験まで多彩なプログラムを用意。

◆フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2018
「神奈川フィルハーモニー管弦楽団
絶品フレンチII 〜天才サン=サーンス〜」

日時 8月3日(金)午後7時開演
 ドビュッシーやラヴェルの先輩であるフランス音楽の大家、サン=サーンスの作品を川瀬賢太郎&神奈川フィルハーモニー管弦楽団の入魂プログラムで披露。大木さんは交響曲第3番を演奏します。


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