横浜女性農業者 マルイファーム 石川弥生さん(34歳)


私にとってのヨコハマって… 夢中になれるものがある場所

横浜女性農業者 マルイファーム
石川弥生さん(34歳)

女性も活躍できる農業を目指して
たくさんの夢を温めています

プロフィル

横浜市都筑区出身。文教大学国際学部卒業後、英会話学校勤務。1年半後にオーストラリア・シドニーに語学留学。事務管理、営業等を経験し、2009年に実家の後継者として就農。約4ヘクタールの畑で野菜・果実を減農薬栽培。直売所の開設、都筑区農業体験ボランティアの受け入れ、収穫体験なども実施。JA横浜主催「農娘会」、横浜市主催「よこはま・ゆめ・ファーマー」に所属

 横浜といえば、港や海のイメージがつきものですが、内陸部には、想像を超える広大な農地が存在! 今回は、その豊かな緑を愛し、愛された女性の物語です。

お客さんに自信を持って勧められる野菜を

 「就農してはや10年。最初はほとんどが手探り状態でしたが、農業ってやればやるほど奥が深いんですね。今は、あれもしたい、これもしたい、と夢が広がっています」
 そう語るのは、24歳で実家の農業を継ぐ決意をした石川弥生さん。自然の恩恵を授かったような明るい笑顔の持ち主ですが、そのいきさつには複雑な事情もあったようです。
 休耕期に家族で海外旅行に出かける機会が多かったという石川さんは、いつしか国際交流の仕事を志すようになり、大学卒業後は英会話スクールに就職。しかし、1年余りで会社が倒産。そこで、自らのスキルアップを図ろうと幼少期からの憧れの地であったオーストラリアのシドニーに語学留学を果たします。ところが、その半年後に母親が他界。急きょ帰国した石川さんの耳にほどなく聞こえてきたのは、「家を手伝ってほしい」という父親の切実な願いでした。
 「私は3人姉妹の長女です。3人でよく話し合った末、私がやると決めました。とはいえ、しばらくは後ろ髪を引かれる思いは拭えませんでした。前向きになれたきっかけですか? 徐々に、というのが一番しっくりくると思います。父について作業を学び、直売所を開いて接客をする、そして合間を縫ってホームページの作成。緑豊かな地元の空気に包まれて、それらを一日一日こなしていくうちに、少しずつ気持ちに変化が現れてきたように思います。とりわけ直売所の仕事は、良くも悪くもお客さんの反応が直に伝わってくるのでいい励みになりましたね。お客さんのリクエストに応えて野菜の品目を増やしたり、手軽な調理法をポップに紹介したり。そうこうしているうちに、減農薬による、“安全で安心”な、おいしい野菜を提供したいと、心の底から願っている自分がいることに気付いたんです」
 “学び”は石川さんのライフスタイルに欠かせないもの。確かな知識に基づいたよりよい調理法を紹介するために、野菜ソムリエプロの資格を取得。さらに、自分でつくりたい野菜を自分でもつくれるようにと、県が運営する学校の就農者コースに週1回のペースで1年間通いました。
 「真心込めて育てた野菜の成長を見るのが、こんなにも楽しいことだったとは。昔は、農業はきつくて大変としか思えなかったのですが、人間変われば変わるものですね」

力仕事の農業から、スマートな農業へ

 10年を経て、着々と自身の腕にも自信をつけてきた石川さん。その頭の中には現在、さまざまな夢の青写真がうごめいているといいます。その最たるものが、“女性も楽しめるスマート農業”の実現。「力仕事をしてこそ農業だというのが父の持論のようですが、将来的に私が主体となるとなると、その考えに準じてばかりではいけないと思うんです。例えば、トラクターも女性が使いやすいオートマのものも今はありますし、現代の技術力を導入しながら、女性が無理なく農業に従事できるスタイルを実践していきたいなって思うんです」と石川さん。働き方におけるシステムづくりもテーマのひとつに挙がっています。
 「現在、ボランティアの方が30人ぐらいお手伝いに来てくださっていますが、そのほとんどがリタイア生活を送る男性たちです。組織として女性が働ける環境を整えるというのも追々考えていかなくてはならなくなるでしょう。今はまだ父の代ですからおおむね従ってはいますが、意見の相違でぶつかるたびに、自分のスタイルが明確になっていく。農業を通して父と議論を交わせることをありがたく受け止めつつ、その中でたくさんの夢を温めているところです」
 一度離れたからこそ、農業の素晴らしさが分かったという石川さん。「実は、就農するまで野菜嫌いだったんですよ」と笑ったその声が、辺りに明るく響き渡っていました。

石川さん流
“今が旬”のおいしさをお届け

 旬の野菜と果実のおいしさを、できるだけ多くの人に届けたいと開設された直売所「マルイファーム」(水・土曜、午後2時~4時30分営業)。
 朝採りの野菜の中には、小松菜、ほうれん草、トマト、レタスなど定番に混じって、ちょっとめずらしく、調理しやすい品種も顔を並べます。ポップに書かれた石川さんのひと言コメントを参考に、楽しくキッチンに立ってみて!

大粒の完熟果実を味わって

 同ファームでは、石川さんが就農以来開催している「ブルーベリー狩り」を今年の夏も開催予定。ハイブッシュ(6月上旬〜7月下旬)とラビットアイ(7月上旬〜9月上旬)の2品種があり、7月中は大きく実った果実の食べ比べも楽しめます。横浜が内包する豊かな緑とのふれあいも楽しみのひとつ。開催期間や受付方法など詳細はホームページへ。

■問い合わせ 農園・直売所「マルイファーム」
TEL090-3227-2035
住所 横浜市都筑区東方町991
http://www.maruifarm.jp/


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