横濱元町 霧笛楼 総料理長 今平 茂さん(60歳)


私にとってのヨコハマって… 「すべて」

横濱元町 霧笛楼 総料理長
今平 茂さん(60歳)

何歳になっても“一生懸命”
それを可能にするのが横浜です

プロフィル

横浜生まれ。学生時代に喫茶店のアルバイトをきっかけに料理の道を目指す。日本橋「東洋」にて矢島政次さんに師事し西洋料理を学ぶ。「横濱元町 霧笛楼」開店当初から副料理長としてレストラン運営に携わり、35歳で総料理長に就任。現在は、地産地消推進活動や後進育成、食育活動などにも力を注ぐ。NPO法人「横浜ガストロノミ協議会」理事長。平成29年度「横浜マイスター」に認定

 横浜には、横浜らしい食の名店があります。“横濱フレンチ”を提供する「横濱元町霧笛楼」はその代表格。総料理長・今平茂さんの人生観にひととき寄り添います。

“日本の心でいただく仏蘭西料理”を追求

 元町の裏路地に佇む「横濱元町 霧笛楼」は、和魂洋才をコンセプトとする“横濱フレンチ”で名高いレストラン。そのオリジナリティーあふれる料理を支えているのが、1981年の創業当時から調理場に立ち続ける、今平シェフです。
 「思い起こすと、初めて料理の楽しさを知ったのは、幼少期に母親に頼まれてかつおぶしを削ったとき。上手だと褒めてくれたのがうれしかったんですね。その後、学生時代にアルバイトをした喫茶店では、先輩から盛り付けのセンスを褒められ、無意識のうちに料理の道を志していました。でも社会に出ると一転してそこはいばらの道。厳しい修行の日々が続きました。最近は食育活動の一環として小・中学生と会う機会も多いのですが、このときの経験をよく話して聞かせています。どんなに辛くても、毎日続けることが大事、続けることで才能は育まれるんだよと」
 日本橋「東洋」で西洋料理を学び、その技術を礎に同店の副料理長に就任した今平さんは、西洋料理に季節感を取り入れること、横浜の野菜と地元のお皿を使うことを念頭に、“日本の心でいただく西洋料理”を追求しました。
 「その試みの中で常に重視してきたのが、進取の精神でした。私は生粋のハマっ子。“横濱フレンチ”を成長させるためにアンテナを張りめぐらせ、情報をキャッチしたら即、産地へ飛んでいく。産地では数々のヒントが得られますからね。いつも一生懸命。何歳になっても心は子どもなんです(笑)」

環境にやさしい食材と食文化を創る

 そんな今平シェフが今最も注目するのが、金沢区の漁場で獲れる昆布。これは、横浜ブルーカーボン事業(海洋生物のCO2吸収と固定化)のコンブプロジェクトで養殖されているもので、海の環境改善につなげる目的があります。
 「3年前にその昆布の存在を知ってから、いつか霧笛楼で使いたいという思いがずっとありました。横浜は小松菜の収穫量も多い。だったら小松菜とジョイントさせてはどうか?昨年の秋頃かな、1カ月間考え抜いてオリジナルソースを完成させたんです。名付けて、海と畑の葉のソース。自負もありますが、そのソースを使って環境にやさしい食材を使った料理を展開できることに新しい喜びを覚えています」
 終始、生き生きと、胸のわくわく感が伝わるように話す今平シェフ。今後はどこへ向かうのでしょう?
 「昨年、平成29年度横浜マイスターの称号をいただいたこともあり、後継者育成にも努めたいと考えています。先ほど触れた食育活動は、和・洋・中の料理人で構成された横浜ガストロノミ協議会がボランティアで行っていますが、その活動も充実させたい。そして食を通して大きな感動を届けるため、自分自身はいつも一生懸命、いつも謙虚に学ぶこと。それだけは地道に継続していくつもりです」

文明開化の香り漂う座敷の個室も
大切な人と訪ねてみては?

 フロアごとに趣の異なる空間が設えられているのも同店の魅力。1階はホテルのラウンジを思わせるレストラン&バー。3階は優雅なバンケットルーム。2階には文明開化の香りを今に伝える座敷の個室があり、襖の浮世絵やオリエンタルな家具・調度品にも心を奪われます。この座敷は2人から予約が可能。隠れ家のような美食空間へ、大切な人を誘ってみては?

横濱元町 霧笛楼 TEL045-681-2926
住所 横浜市中区元町2-96
営業時間 ランチ午前11時30分~午後2時30分LO。ディナー午後5時~8時LO。月曜不定休 http://www.mutekiro.com

今平さん流一皿の思い

 「一皿一皿をメイン料理ととらえ、主となる素材の持ち味を最大限に生かす材料と料理法を心掛けています」という今平さん。明快なコンセプトよって、美味しさが幾重にも膨らむ感動的な一皿が生まれます。※料理は取材時のもので、季節によって変わります

八海山サーモンのタルタルと大根のブランマンジェ
甘酸っぱいビーツ(根菜)のブルーテ
海藻と胡瓜のジュレ 炭と柚子の香り

 季節ごとに変化するブランマンジェは同店の看板メニューのひとつ。素材を厳選した自家製の薫製サーモンに、旬の三浦大根を取り合わせ、ビーツを冷製スープに。鶏肉、かつお、昆布のエッセンスが効いたゼリーを軽やかにトッピング。

国産牛・頰(ほほ)肉の赤ワイン煮
「ブルゴーニュ地方での思いで」
ポテトのアンナ風とかぼちゃのブランダード添え
「日本の秋をイメージして」

 今平さんがブルゴーニュ地方で深く感動したという、赤ワインをたっぷり使った煮込み料理に、サクサクの食感が楽しめるじゃがいものアンナとクリーミーなかぼちゃを添えて。鮮やかによみがる異国の思い出と、日本の秋が溶け合う一皿に仕上がりました。


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