助産師・家族支援士 渡邉ケイ子さん(75歳)


さかの多いまち

助産師・家族支援士
渡邉ケイ子さん(75歳)

“伝えたい”熱い思いを胸に秘め
力まず自然体で流れのままに

プロフィル

1944年、戦争中の混乱期に栃木県大田原市で生まれ、多感な中学・高校生時代は宮城県仙台市で過ごす。姉を頼って出てきた横浜市で看護師・助産師資格を取得し、1996年に出張開業助産師として届出。地域に根差し、児童精神科医の故・佐々木正美医師のゼミから学んだ“子どもへの眼差し”を多くの子を持つ親に伝えながら活動中。2017年12月に絵本「おっぱいバイバイ」を自費出版している

 人生100年時代といわれるこの時代、歳を重ねても生き生きと、趣味や仕事を楽しむ秘訣とは? 助産師として活躍する人生の先輩から、そのヒントをひもときます。

楽しいことが最優先! 無理はせず自然体で

 「世界100カ国に行くことを目指しています。年齢的に難しいとは思いますけど、目指していれば元気でいられるから」と笑顔。毎年5回ほど、夫婦で海外旅行に出掛ける渡邉ケイ子さんは、横浜市を中心に出張専門で活躍する助産師です。市や県が運営する助産師会に所属し、主に産後の母親を対象に、各家庭へ出向き、乳腺炎などの母乳ケアや育児相談などを受け付けています。
 看護師として社会人のスタートを切り、助産師資格も取得。子育て期間を挟みつつ、福祉保健センターの職員として出産後の母子訪問を定年の65歳まで続ける傍ら、出張専門の開業助産師としても活躍してきました。
 「10年前は、今、自分がまだ働いているとは思っていませんでした。予約が入らなくなったら引退しようと思っていたのですが、依頼が途切れなくて(笑)」
 「求められればどこまでも行きますよ」という渡邉さんは、先輩ママから新米ママへ口コミで評判が広がり、今では県外からも予約が入る人気ぶり。その穏やかなオーラと、生き生きと働く姿が施術を受ける母親たちの心もほぐしているようです。そんな渡邉さんに年齢を重ねても仕事を続けられる秘訣を尋ねると、意外にも「そんなことは(改めて)考えたことないから」という答え。
 「じっとしていられないタイプなので、あちこち出向くのは性に合っているのかしら。それと旅行の期間は、(予約の可能性がある)ママさんたちには事前に伝えるようにして、“楽しいこと”は大切にしていますね」
 どこにも力みがなく、実に自然体。無理をせず、流れるまま、生活の中に趣味と仕事が共存していることが、今も現役でいられる秘訣のよう。さらに「定年になった夫婦がずっと家で一緒にいるのも大変」だそうで、仕事をすることで夫婦も良い距離感が保てて円満と、全てがプラスにつながっているサイクルがうかがえます。
 「あとは、自分の体に感謝ですね。どこへでも(公共の交通機関と)徒歩で伺いますから、それも体力づくりにつながっているのかも。特に横浜は坂道が多いですから! よく疲れないんですか?と聞かれますが、疲れないんですよ(笑)。疲れたら続きませんからね」

少しでも多くの人に伝えたい“心を育てる”メソッド

 2017年、渡邉さんは絵本を自費出版。絵本アドバイザーをしている知り合いに誘われて、一切迷わずに行動に移したのは、出張ケアや講座を開催する中で、一人でも多くのママに伝えたいメソッドがあったからでした。
 それは「ファンだった」という、小児精神科の故・佐々木正美先生の“子どもの心を育てる育児”。“親が子どもの人生のレールを敷き、厳しくしつけをする育児”が主流だった当時、“怒らない子育て”を推奨する佐々木先生のメソッドは異端な存在でしたが、同じような思いで子育ての真っ最中だった渡邉さんはすっかり心をつかまれたといいます。そして「もっと子育て初期から知っておきたかった」と感じたからこそ、幼少期の育児に奮闘するママたちに伝えたいのだそう。
 「お会いできる人数には限りがありますから、絵本の出版はとても良いチャンスだと思ったんです。それに自分の知らない(出版の)世界が見られて、楽しかったですよ」
 新しい世界に出合うことを楽しみ、「心が広がるから良いですよ~」と世界旅行の魅力を生き生きと語る渡邉さん。そのストレスフリーな生き様は、思わず憧れずにはいられないような光に満ち溢れていました。

渡邉さん流
更年期対策の出張講座も
ボランティアで受け付け

 産院勤めや保健師、出張産後ケアなどを経験した渡邉さんは、「出産、産後、更年期と、女性の一生をつながりで見られるようになった」そう。先を見据えたアドバイスは“今知れて良かった”と感じる情報ばかり。普段は出張産後ケアのほか、子育て支援拠点などで講座の講師を担当していますが、要望があれば、更年期対策講座などの講演をすることも。それらはボランティアで受け付けているそうなので、興味のある人はぜひ問い合わせを。

問い合わせ=TEL090-6341-7091
メール=rp-okeisan@docomo.ne.jp
※移動中が多く、電話に出られないことが多いので、メールでの連絡だとありがたいとのこと

思いを詰め込んだ一冊

 「幼い子どもでも、怒らず説明すれば分かります。どうしてそうしてほしいのか、そして、そうしてくれたらママはうれしい、などご両親の気持ちをたくさん言葉で伝えてあげてください。そうすれば、人の気持ちの分かる子になりますよ。人の気持ちの分かる子はいじめをしません」と“子どもの心を育てる育児”を語る渡邉さん。
 絵本は、そんな思いを元に、普段特に質問の多い“卒乳”と“2人目育児”のコツを描いた2作を収録。子どもの心をケアしながら親子で成長できる一冊です。

『おっぱいバイバイ』作:わたなべけいこ、絵:やまはしさやか(1188円・幻冬舎)


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