太鼓奏者・指導者 近藤克次さん(60歳)


たくさんの太鼓の仲間が待っていてくれる街

太鼓奏者・指導者
近藤克次さん(60歳)

厳しい修業で感じたのは自由
“維持する”ために柔軟に生きる

プロフィル

1958年三重県生まれ。1976年に佐渡島の「鬼太鼓座」に入座。「鼓童」創設に参加し、その中心プレーヤーに。1993年に独立後、“表現する体づくり”をテーマにストレッチを取り入れた「近藤克次太鼓メソッド」を確立。2011年まで伊勢の「神恩感謝日本太鼓祭」の総指揮を務めたほか、全国高校総合文化祭で数々の受賞歴を誇る東京都三鷹市の「明星学園和太鼓部」の指導も担当している

 和太鼓ブームの草分け的存在「鬼太鼓座(おんでこざ)」、そしてブームの火付け役「鼓童(こどう)」の両グループで活躍した和太鼓の指導者を伊勢佐木長者町にある和太鼓スクールに訪ねました。

海外・和太鼓・三味線に感じた強烈な“自由”

 人の距離感が近い田舎町に育ち、進学・就職と周囲の誰もが当然のように歩む人生に違和感を持っていた近藤克次さん。小学4年生の頃、“移民”という言葉にひかれて海外に思いをはせ、中学生では恩師の影響で英語の勉強に没頭。高校2年生の時に津軽三味線の音色に衝撃を受け、“これをやるにはどうしたら良いのだろう?”と模索していた高校3年生の初夏、導かれるように佐渡のプロ和太鼓奏者集団「鬼太鼓座」と出合います。
 「あれはお昼の情報番組の中で、ものの5分くらいの映像だったと思うのですが、海外でマラソンを走り、津軽三味線をひき、和太鼓をたたくという姿が、いっぺんに僕の頭の中に飛び込んできたんですね。ここに行けば自分のやりたいことができる!と確信しました」
 夏休み、テレビ局に問い合わせて手に入れた住所だけを頼りに、鬼太鼓座の合宿所を訪れた近藤さん。“走る事と音楽とは一体”という「走楽論」を軸に、毎日20~30kmものマラソンを日課にしていた同グループの生活は過酷を極めましたが、強烈な“自由”を感じたのだそう。
 「確かに縦社会の厳しい生活だけど、精神的にめちゃくちゃ自由だなと思えたんですよ。走っているときは自由、太鼓をたたいているときも自由。トータルしてみると自由を感じている時間が長いんです」
 翌年、高校を卒業すると同時に正式加入を果たすと、すぐにアメリカへ渡り、グループの恒例行事だった、ボストンマラソンを完走した直後に大太鼓を打つイベントに参加。その後、約4カ月間で欧米を回る貧乏ツアーを皮切りにスタートしたストイックな日々は「普通では見られない世界や文化を自分の目で見ているんだ、という充実感」を強く感じていたといいます。

幸せな“絆”を維持するために必要なこととは

 1982年に新グループ「鼓童(こどう)」の創設に参加した近藤さん。中心プレーヤー時代を経て、故障を機に「鼓童研修所」所長に着任。36歳で独立し、“奏者”から“指導者”へ緩やかに人生の舵を切ることに。
 「独立した当初は人間関係で本当にたくさんの失敗をしました。その中で43歳の頃に出会った、(現在も指導中の)高校の太鼓部顧問の先生からは、指導者としての相手との距離感の大切さをすごく学んだんですよ。“絆”という字は“糸へんに半分”と書くでしょう?人と人との間のちょうど半分のところに絆を結ぶ。相手に入りすぎても、入り込ませすぎてもいけないんだということに気付かせてもらったんですね。それからは数々の失敗にも感謝を感じられるようになりました」
 その頃からブームが訪れ、生徒数も徐々に増加。今では日本を飛び越え世界中にプロチームが存在します。
 「でも結局ブームというのは去るんですね。この年齢になれば自分の体力も、ブームも、維持する努力をしなければいけない。何もせず、この幸せが続いていく訳がないと肝に銘じておかなければならないと思うんです。常に新しい風を入れて、臨機応変に自分も変わりながら維持していくむずかしさ、大切さを今は感じています」
 穏やかな口調で語られた、まるで一本の映画のように濃厚で壮大な人生のストーリー。“幸せを維持するための変化”を惜しまない近藤さんの周りには、多くの人と結ばれた、たくさんの絆の糸が感じられました。

近藤さんのメソッドを直接習うなら
2伊勢佐木長者町にある和太鼓スクールへ

 「できなかったことができるようになる“達成感”」「体を大きく動かして汗をかく“爽快感”」「みんなで音を作り上げる“連帯感”」という“3つの喜び”を感じられる和太鼓の魅力をより多くの人に伝えていきたいと話す近藤さん。月に2日、伊勢佐木長者町にある和太鼓スクール「HIBIKUS」で初級・中級・かつぎ桶クラスの指導を担当しているので、興味を持った人は訪ねてみて!
 和楽器のスクールとは思えない、シンプルスタイリッシュな雰囲気の「HIBIKUS」は、近藤さんをはじめ、経験豊富なインストラクターぞろい。夜は午後8時からのクラスもあり、会社帰りでも受講が可能です。下は3歳の子どもから、上は80代まで在席しており、一人一人のレベルに寄り添ってくれるので、気軽にチャレンジを。

和太鼓スクール「HIBIKUS(ヒビカス) YOKOHAMA」
TEL045-242-5656
住所 横浜市中区山吹町1-7
アクセス 市営地下鉄「伊勢佐木長者町」駅4B出口から徒歩1分
営業時間 午前10時~午後10時、日曜は午後7時まで(月曜定休)


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