これは本当に見て良かった!「2019年マイベスト映画」5選


こんにちは。シティリビング編集部の映画大好きわた九郎です。

この年末に手帳を読み返していたら、昨年は42作品を映画館&試写会で鑑賞していたことが分かりました。
家でDVDで見たり、テレビ放送で見たものを含むとおよそ60本くらい。
今回はその中でも「これは本当に見て良かった!」と、思わず反すうした「2019年マイベスト映画」をご紹介します!

深海に潜む生命のひみつ ノスタルジックな世界観と壮大な映像美が共存
「海獣の子供」

水族館、歌うクジラ、少年たちとの夏休みの冒険…聞くだけで子供時代のワクワクがよみがえってくるフレーズ。
でも、実際に見たら「これは間違いなく“大人のためのファンタジー”だ」と思わずにはいられない壮大なアニメーション映画でした。

周囲になじめずにいた中学2年生の少女・琉花が、ジュゴンに育てられたという不思議な少年2人に導かれ、海の底で「生命の誕生」を目撃する成長物語。

前半の舞台は、鎌倉~江ノ島。うだるような暑さやジリジリと肌を焼く太陽の熱が伝わってきそうな映像で、ノスタルジックな夏休みの記憶がよみがえってきます。砂浜で食べる豪快な食事、空を飛ぶようにジュゴンと泳ぐ少年、降るような星空と流星群などの幻想的な美しさはため息もの。
うって変わって琉花が深海に引き込まれていく後半は、クジラや古代の巨大ザメ、荒々しく泳ぎ回る海獣たちが次々と登場し息をつかせぬ展開に。「生命の誕生」という壮大な“現象”が圧倒的な映像美の中で流れるように過ぎ去っていきます。

「何だかすごい現象を目撃した…」と余韻にひたっている間に、米津玄師さんが手がけた主題歌「海の幽霊」が流れ始め、もう一度作品の世界に引き戻される2段構成。

DVDでもできるだけパソコンではなく大きな画面で、何なら電気も消してこの世界観に没頭してほしい作品です。

60代でカムバックしたレジェンド女優がかっこ良すぎる!
「ターミネーター:ニュー・フェイト」

90年代アクション映画の中でレジェンド級の人気を誇り、今も熱狂的なファンが多い「ターミネーター2(以降T2)」。
何を隠そう、わた九郎の映画好きのきっかけも「T2」。さらに洋画・邦画を通して一番好きな作品でもあります。

そんな「T2」の「正統な続編」と銘打たれたのがこの「ターミネーター:ニュー・フェイト」。
なぜわざわざ「正統な」と付けているかというと、これまで「T2」後に公開された3作の“続編”(シリーズ作)がどれも期待ほどの評価を得られず、いわくつきのシリーズとなっていたからです。作品によっては一部ファンから「無かったこと」にされている始末…前作が人気すぎた故の宿命なのかもしれません。

そこで満を持して公開されたのが、シュワちゃんはもちろん「T2」のキャメロン監督が製作に、ヒロインのサラ・コナー役を務めたリンダ・ハミルトンさんが同じ役でカムバックした今作。
公開前から期待度はMAX! そして感想は「本当に見て良かった!!」と感涙でした…!

舞台は前作(「T2」)から22年後のメキシコシティ。前作でサラたちが殺人兵器・ターミネーターを生み出したAI「スカイネット」を破壊したにも関わらず、工場で働く21歳の女性・ダニーの前に新たなターミネーターが現れて彼女を殺そうとします。ダニーを守ったのは、同じく未来から来た女戦士のグレース。車で逃げ出すも、ハイウェイに追い詰められた2人の前に、未来を予知したかのように武装したサラ・コナーが現れます。

この“レジェンド女戦士”サラ・コナーがとにかくかっこいい! 撮影時リンダさんはすでに60歳でしたが、登場してすぐ進化した新型ターミネーターを一蹴するガンアクションを見せ、とどめに顔色一つ変えずロケット・ランチャーをドカン! 夏木マリさんも真っ青のしびれるような“不良老年”ぶりを見せつけました。
22年の間に何かとてつもなくハードな道のりが、サラの身に起こったことを感じさせる表情やたたずまいもすばらしく、ただ同じ女優が同じ役を演じただけではない完璧なカムバック。まさに新たな伝説です。

「T2」の大きな魅力でもあったドラマ性も健在で、サラがダニーを通して自身の過去と向き合っていく姿や、ダニーがサラから広い意味での“戦い方”を学ぶ様子は非常に胸熱。
未来を切り開くたくましい女性たちの選択と、ラストシーンのカタルシスはクセになるほどです。
今作はさらにロードムービーとしての要素もあり、シリーズを知らない人でも楽しめること間違いありません。

“折れない”ヒロインのひたむきな強さと松坂桃李さんの「目の演技」に脱帽
「新聞記者」

公開前から「ここ数年で実際に起こった政治問題に切り込んでいる」と話題になり、国内映画賞のノミネートや受賞が続いている「新聞記者」。
社会派ドラマとしての評価が高い作品ですが、私が見たときにまず引き込まれたのはミステリとしての秀逸さでした。

内容は、大手新聞社で働く女性記者・吉岡(シム・ウンギョン)とエリート官僚・杉原(松坂桃李)が、1枚のFAXをきっかけに現内閣の闇と対峙(たいじ)していくサスペンス。

物語がスピーディーに展開する上、ラストまで終始緊張感があり、ひたすらスクリーンに見入っていました。誰かから監視されているような視点が差し込まれたり、異なる状況にいる2人が同じ構図で交互に映し出されシンクロしていくなど、スタイリッシュで独特な映像も魅力的。

北村有起哉さんや田中哲司さんら名脇役の皆さんが登場する中で、特に印象に残ったのが、松坂さんの「目」の演技でした。表情が大きく変わるわけではないのに、目の奥に光りが灯ったり消えたりすることで杉原の心の動きが伝わり、昨年日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞に輝いたのも納得。また、理想に燃えて政府に立ち向かう「熱血漢」というより、あくまでひたむきに自分の道を進み、決して“折れない”吉岡のヒロイン像も新鮮で好感度大です。

映画のテーマの一つは「同調圧力」。政治の問題もそうですが、空気を読むことが良しとされている日本で、集団(組織)の中での個人の在り方を深く考えさせられます。
余談ですが、この映画の撮影はたった2週間で行われたそう。大作にはもちろん大作なりの良さがありますが、名作=掛けた時間ではないのだと改めて感じました。

台湾の美しい自然と、夜を駆ける孤独な男たち
「パラダイス・ネクスト」

昨年は仕事でも台湾に行ったわた九郎ですが、元から台湾は大好きな国。
この映画は全編台湾ロケを敢行し、この国ならではの濃い生命の気配や鮮やかな色彩をめいっぱい堪能できます。

主演は妻夫木聡さんと豊川悦司さん。異国の地で暮らす孤独な男たちの出会いをきっかけに、1年前に起きたある女性の不審死の謎が明かされるノワール・サスペンス。
豊川さんが演じるのは、1年前の女性不審死をきっかけに台湾に渡り、存在を消すように生きてきたヤクザの島。妻夫木さんは島にその死の真相を知っていると匂わせて近付くお調子者の牧野役。牧野を殺そうとする追っ手から逃げる内、2人は「花連」という土地で死んだ女性とそっくりな女性に出会い、彼女の家に滞在することに。

登場人物はこわもてばかりだし、ノワール・サスペンスならではのハードな場面もありますが、印象に残るのは夜を駆ける青春映画のようなシーンの数々です。
屋台のような路上の食堂で、安い(けど間違いなくおいしいであろう)台湾飯を食べたり、真夜中に誰もいない道路を小さなバイクと自転車で走ったり、空色に塗った車で海を目指したり。
ノワールの隙間に光を散りばめたような世界観が、破滅に向かって疾走する彼らをより切なく浮かび上がらせ、花連の美しい自然と合わさって何ともいえない気持ちに。

妻夫木さんの笑顔の破壊力はすさまじく、冒頭の無垢な笑顔と、絡み合ったいくつもの感情を複雑に映し出す、ラストシーンの笑顔が同じぐらいのインパクトで心に残りました。

人とのつながりは“何でもない日常”の積み重ね
「アイネクライネナハトムジーク」

原作は小説家・伊坂幸太郎さんとアーティスト・斉藤和義さんの絆から生まれた恋愛小説集。
仙台の駅前で出会った男女の「10年越しの恋」を中心に、人と人とのつながりを丁寧に描き出した人間ドラマです。

「運命の出会い」に夢を見る佐藤(三浦春馬)は、街頭のアンケートの仕事中、手に「シャンプー」と書いたリクルートスーツ姿の紗季(多部未華子)と出会い、付き合うことに。10年後、佐藤は意を決して紗季にプロポーズするが…。

誰かとの揺るぎない特別な関係を求める割に、長く一緒にいるほど慣れて、飽きて、大事な物を見失っていく“普通の人たち”の群像劇。
なのに見ていて嫌な気分にならないどころか、気持ちを前向きにしてくれるのが、この映画ならではの登場人物の描き方の妙。人とのつながりは何でもない日常の積み重ね。つい忘れがちな大切なコトを思い出させてくれました。
特に眉毛の下がった困り顔の三浦春馬さんがすごくいいです。舞台のドラァグクイーン役などで高い評価を受けている三浦さん。普通の青年を演じる姿は逆に貴重な気も(笑)。

映画とは切り離せない音楽も、この作品では特に大きな意味を持っています。担当するのはもちろん斉藤和義さん。
この音楽があってこその作品と言ってもいいかもしれません。

 

約2時間の中で歴史的大事件にも、宇宙や深海にも、大恋愛にも、誰かのささやかな一生にも出合える映画はやっぱり最高の息抜き&楽しみです。
2020年も引き続き世界を広げる2時間との出合いを求めて、映画館にGO!


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