ちゃんと知りたい生理のこと


 

働く女性が自分の体調をマネジメントするにあたり、切り離せないのが生理(月経)。生理前の不調や生理痛に悩んでいる人もそうでない人も、自分の心と体のメカニズムをもう一度学び、見つめ直してみましょう。

構成・文/藤田郁美 イラスト/斎藤美歩

 
 

A. 妊娠のために準備した子宮内膜を排出するため

 排卵が起こると、子宮は受精卵を迎える準備として、子宮内膜の厚みを増します。しかし妊娠が成立しなかった場合、不要になった子宮内膜ははがれ落ち、血液とともに体外に排出されます。これが生理(月経)が起こる仕組みです。こうした排卵と生理のサイクルは、閉経を迎えるまで繰り返されます。

 
 
 

 生理前の心身の不調や、生理中の痛み…。程度の大小や症状には個人差がありますが、誰もが体験したことがあるのでは。不調や痛みが起きる仕組みを知り、上手に付き合う方法を考えてみましょう。

 
 

 原因は大きく二つ。一つは特に原因となる病気がなく、プロスタグランジンという物質によって痛みを感じるタイプです。
 生理が起こると、経血を体の外に排出するため、子宮が収縮。その力が過剰になると痛みが生じます。そのとき影響するのが、子宮内膜で作り出されるプロスタグランジンです。子宮を収縮させるはたらきがある一方、痛みや炎症を起こす性質があります。人によって生理痛を感じる強さが違うのは、このプロスタグランジンの分泌量や感受性、子宮の形(子宮口の広さなど)に個人差があるためです。
 そしてもう一つは子宮の病気によるもの。子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因で、ひどい生理痛が起こることもあります。

 

生理痛
下腹部の痛み、腰痛、頭痛、ひどくなると吐き気を伴うことも

生理前の不調
むくみ、肌荒れ、下腹部の張り、便秘・下痢、頭痛、乳房の張り、イライラ、ゆううつ、眠気、食欲が増すetc…

 
 

 このように、生理痛の裏に病気が隠れている場合もあるので、つらい場合は病院に行きましょう。日常生活に支障をきたすほどの生理痛は「月経困難症」と呼ばれ、婦人科の受診が推奨されます。月経困難症のある若い女性の70%に、子宮内膜症が隠れているという報告もあるのです。医師に相談すれば、症状に合った鎮痛薬や漢方薬、低用量ピルなどを処方してもらえます。
 効果が得られるようなら、市販の鎮痛剤もOK。痛みを感じることでプロスタグランジンの産生が活性化されるので、できれば痛くなる前に飲むのがベターです。用法用量を守って飲むぶんには、「飲みすぎると効かなくなる」ということもありません。ただ、胃に負担がかかって胃痛が起きる場合もあるので、必要量が増えるようなら医師に相談を。

 
 
 

 現代は女性の出産人数が少なくなり、出産を経験しない人の割合も増えています。その結果、4~5回の出産が珍しくなかった時代に比べると、生理の回数は9倍以上増えているという説も。
 定期的に生理が起こるのは、女性としての体の機能が適正にはたらいている証拠。しかしその反面、生理痛や生理前の不調に悩むことが増えたり、生理が原因で起こる病気(子宮内膜症など)のリスクが高まるといった側面もあります。
 そこで低用量ピルで生理をコントロールすることで、病気を予防し、生活の質を高めるという方法が注目されているのです。

 
 

 低用量ピルは女性ホルモンと黄体ホルモンを含む薬で、飲むことで体内の女性ホルモンのはたらきを抑制し、排卵を止めます。定期的に休薬期間があり、その間に生理のような出血が起こりますが、通常の生理に比べてグッと軽いことがほとんど。さらに自分で時期をコントロールできるのもポイントです。正しく服用すれば避妊効果もあります。

生理痛への影響
・子宮内膜の増殖を抑制するので、生理痛を起こすもとであるプロスタグランジンの産生も抑えられ、痛みが軽減されます
生理前の不調への影響
・体内の女性ホルモンの量が安定し、不調が軽減されます

 

 飲み始めると一時的にだるさや吐き気などが起こることもありますが、最近の低容量ピルではあまりそういった傾向は見られません。飲むのをやめれば自然に排卵も戻るので、将来妊娠を望む人も服用できます。
 ただ、飲み始めの一カ月ほどは不正出血が起きることがあるほか、副作用として血栓症(血管に血の塊が詰まる病気)のリスクがあるといわれています。でも、定期的に体調や副作用のチェックを受け、正しく使用すれば、心配しすぎる必要はありません。とはいえ合併症や体質によっては服用を控えたほうがいい場合もあるので、まずは医師に相談を。

 
 
 
 

 多くの女性が感じている生理前の不調。女性ホルモンの分泌量の変化や、それに伴う神経伝達物質への影響が理由ではないかといわれていますが、実はまだ、はっきりとした原因は分かっていません。生理開始の3~10日前くらいに精神的・身体的症状があり、生理開始とともに回復するものを「PMS(月経前症候群)」、さらにPMSと同様に発症し、PMSよりも精神症状が強く出るものを「PMDD(月経前不快気分障害)」と呼びます。

 
 

 原因はよく分かっていない生理前の不調ですが、きちょうめんな人や仕事が忙しい人など、普段からストレスを抱えている人に現れやすい傾向があるそうです。自分なりのストレス解消法を知り、できるだけ暮らしにゆとりを持つのが予防法の一つといえるかもしれません。
 また、「生理前は心身ともに調子が悪くなるのだ」ということを受け入れることも大切。自分が悪いのではなく、体の仕組みとして仕方のないことだと割り切るようにしましょう。調子のいいときに、手軽にできる気晴らしの方法を考えておくのもいいですね。
 程度がひどい場合、低用量ピルを取り入れることで症状が軽くなる場合が多いようです。精神面での症状が強く、ピルで改善されない場合は、一時的に抗うつ剤などが処方される場合もあります。

 

 生理は本当に人それぞれ。出血量や期間、生理痛のありなし、生理前の不調の程度…あらゆる面で個人差が大きく、自分で客観的に判断することはとても難しいといえます。だからこそ、我慢は禁物。「病院に行くほどのことじゃない」と思わず、つらいと感じたら専門医に相談しましょう。

 

お話を聞いたのは…

円山レディースクリニック 

鈴木 美和 先生
2003年、札幌医科大学医学部卒業。医学博士、日本産婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医、日本臨床細胞学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医、女性ヘルスケアアドバイザー

 

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