花粉症は「ビタミンD」で改善する!? 驚きのその真相に迫る


kireistyle

花粉症の季節がやってきました。今年もマスク着用の方々が街に溢れています。そんな折、いち早く花粉症から脱した人の話をきくと、今年は特に「ビタミンDのサプリメントで改善してきた」という人が目立っています。ビタミンDがどうして花粉症を改善するのでしょうか? 

ビタミンDと花粉症の関連を解いた本「サーファーに花粉症はいない」(小学館)の著者、斎藤糧三先生にお話を伺いました。

「ビタミンD」と「アレルギー症状」の密接な関係が明らかに
「何はともあれ、花粉症のみなさんが知りたいのは『ビタミンDが本当に花粉症を改善するのか否か?』でしょう。

いろいろな対症療法がありますが、ビタミンDは花粉アレルギーを根本から改善してくれるもの。どんな対症療法にも勝るはずです。なぜならビタミンDは『免疫調整ホルモン』だからですよ」(斎藤先生)

斎藤先生は、そのスベスベの肌からは想像がつかないほど、子どもの頃からずっとアトピー性皮膚炎。大人になってからは慢性的な鼻づまり、春にはご多分にもれず花粉症に悩まされてきたタイプです。

ただ、幼少の頃から、海に行けばアトピーも鼻づまりもなぜかマシになる… 大人になってからも、ビーチリゾートに行くと必ず鼻がすーっと通る経験をしていました。でもそれは単純に、空気がきれいな場所はアレルギーの原因が少ないからだろうと思っていたのです。

ところが、あるとき「一時的に改善するのは、ビタミンDが体内に増えるからだ!」と気がついたのです。そのきっかけを斎藤先生が説明してくれます。

「私の専門は『機能性医学』です。これは1990年代にアメリカで誕生した新しい医学で、日常的に人が抱えている不調や病気を対症療法に走らず、その発症原因に着目して根本から改善しようというのがコンセプト。あるとき、アメリカで開催された機能性医学の学会で、ビタミンDがテーマになっていました。

ビタミンDのパイオニア的医師が、体内のビタミンDを増やすのに “日焼け” をあえて推奨していた。それで、ハタと気付いたわけです。紫外線を浴びることによって体内ではビタミンDが合成される。だから、紫外線の強い場所に居続けると、ビタミンDがいつもより多く合成されてアレルギー症状が治まるのではないかと」

ビタミンDは、以前から『骨の材料となるカルシウムを体内に取り込みやすくする』と言われていました。日光を浴びると皮膚でコレステロールを原料として合成されます。紫外線に当たらないと合成できず、骨形成に異常が起こる『くる病』を招くことは有名です。

さらに、機能性医学ではビタミンDを『免疫系を正常に働かせるために必要な栄養素』ととらえていることがわかりました。ビタミンDが不足すると免疫系に異常が起き、それがアレルギーを発症させる一因になる、というのです。

そして、斎藤先生はビタミンDのサプリメントを購入して実験をします。1日に100μg(4000IU)ずつ摂取すると、アレルギー症状の明らかな軽減がみられました。摂取して1時間もしないうちに、ビーチで日光浴をしたときのように鼻がスーッと通ってくるのです。

ビタミンDは通常、体内では脂肪に備蓄されていて、必要な時に使われます。欠乏しているときは備蓄も少なくなり、大量に摂っても、摂取後6時間ほどで血中濃度が下がります。それと共に鼻の通り具合も徐々に微妙になり、やがてまた鼻づまりが戻ってきてしまいました。

「さらに、花粉症の症状のある10名に同じ量のビタミンDを試してもらったところ、10名全員が症状の改善を認めていました。しかも、ビタミンDが完全に代謝される数時間後には、私と同じように症状が戻ってきたんですよ。ビタミンDとアレルギー症状の関係を認めないわけにはいられない出来事でしたね」(斎藤先生)

そもそも「ビタミンD」にはどんな役割がある?
過去にわかっていたビタミンDの生理機能は、次の3つがありました。

1)腸管でのカルシウム、マグネシウム、リン吸収の促進
2)腎臓からのカルシウム喪失抑制と、副甲状腺を介した血中カルシウム濃度の維持
3)骨形成や骨のカルシウム、マグネシウム吸収の円滑化
斎藤先生によれば、新たに注目されているビタミンDの機能は、さらに3つ挙げられると言います。

1)細胞分化誘導
ビタミンDは他のステロイドホルモン同様に、細胞の核にあるビタミンD受容体(レセプター)に働きかけ、正常な細胞への分化を誘導します。つまりビタミンDが不足すると、適切に細胞の分化誘導が行われないため、がんなどの疾病が増加すると言われています。

2)免疫担当細胞の調整
リンパ球などの免疫担当細胞にもビタミンDのレセプター(受容体)があり、ビタミンDが欠乏すると免疫バランスが崩れて花粉症のような異常な免疫反応を生じてしまいます。リウマチ、一型糖尿病などの自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎、喘息などの花粉症以外のアレルギーの発症にも関与。

3)血圧上昇ホルモンの分泌を調整
血圧上昇の原因となる腎臓で作られるホルモン「レニン」の分泌上昇を、ビタミンDが抑制。
斎藤先生の書かれた本「サーファーに花粉症はいない」のタイトルの意味は、太陽の下でスポーツを楽しむ習慣のある人達は、ビタミンD不足にはなりにくい。だから花粉症の症状も出にくいということ。そう、紫外線を浴びることでビタミンDは自然と作られます。

「紫外線は人にとって悪だと考えがちですが、害だけではないのです。UV対策が世界一進んだ日本女性は、ほとんどビタミンD欠乏症に罹っているとも言われています。これほど重要なビタミンD生成のために、紫外線も少しは必要であること、忘れないようにしましょう。太陽光線を浴びる目安としては、週2回程度、顔や手足に日焼け止めを塗らず、5分~30分程度浴びれば十分なんです」(斎藤先生)

「ビタミンD」を多く含む食材とは?
もちろん、ビタミンDは食材からも摂ることができます。ビタミンDは主にきのこ類魚類に多く含まれ、含有量の多い食材は…

【100gあたりの「ビタミンD」含有量】

・白きくらげ(乾燥) 970μg
・きくらげ(乾燥) 435μg
・かつおの塩辛 120μg
・あんこうの肝 110μg
・しらす干し(半乾燥) 61μg 
・いわし(丸干し) 50μg
・たたみいわし 50μg
・身欠きニシン 50μg
・すじこ 47μg
・いくら 44μg
・紅鮭 33μg
・スモークサーモン 28μg
こうしてみると、あまり日常的に摂りやすい食材ではありません。そこで斎藤先生がオススメしているのがビタミンDのサプリメント。日光浴や食事で気を使わなくても、確実に摂取できるので、積極的に症状を改善したい人にはうってつけです。では、ずばり、花粉症を治したい人がビタミンDをサプリメントでどれくらい摂ればよいのかを教えていただきましょう。

サプリメントの選び方、花粉症に効果的な摂り方と量は?
ビタミンDの量を表す単位で覚えておきたいのは、μg(マイクログラム:1gの10万分の1)と、IU(アイユー:1IU=0.025μg)。斎藤先生によれば、ビタミンDに関する世界の研究者の意見を総合すると「成人で1日50~100μg(2000~4000IU)」が妥当な摂取量と言われているのだそうです。

「ビタミンDの血中濃度が目標値で安定するための肝臓や脂肪内の備蓄には、約3カ月かかると考えてください。患者さんに処方する際には、1日100μg(4000IU)を摂取→3カ月後に血中濃度の再検査→目標値に達した時点で1日50μg(2000IU)を維持する、という指導をしています。

花粉症の方がご自分で改善したい場合は、まず毎朝100μg(4000IU)のビタミンDを摂ります。もしそれで症状が緩和されず、午後にまた症状が出てくるなら、もう一回100μg(4000IU)を摂取しましょう。カラダにビタミンDが備蓄されてくれば、午後になっても血中濃度が下がって症状がぶり返すことはなくなります。

この飲み方を試して、花粉症が全く改善されなかった人はほとんどいません。ただ、粘膜が正常でないと改善効果は見られない人もいるので、可能性がある場合はタンパク質、ビタミンC、鉄、ビタミンAの摂取を心がけてくださいね」(斎藤先生)

「ビタミンD」の過剰摂取は大丈夫?
『免疫調整ホルモン』である「ビタミンD」不足を、食事やサプリメントで積極的に解消することが大切だとわかりました。とはいえ、過剰症は大丈夫なのでしょうか? 

実は1日250μg(10000IU)以内なら、副作用は心配しなくてよいのですが、長く飲み続けるなら医師のアドバイスを受けるべき。また、安全なサプリメントを選ぶ目を持つことも大事です。

「サプリメントは大きく分けて2つ。一般用医師処方用(医療用サプリメント)です。後者は栄養療法などを行うクリニックで扱っているものですが、日本ではこれがまだまだ少ないのが現状ですね。2つの大きな違いは、配合量の保証。一般用の中には、表示してある量が、あくまで『工場の製造段階で入れましたよ〜』という意味の製品もあります。製造中や保存中に目減りしていくものもあるのですが、その分を計算していないタイプもあるのです。

ビタミンDは、1カプセルあたり含有量25μg(1000IU)のものが理想です。輸入のものには錠剤も多く、これには日本人が馴染みのない混合物が多く含まれていたり、錠剤は栄養成分が減衰する傾向にあるので、日本製のカプセルのほうが安心だと思います」(斎藤先生)

知っているようで知らなかった「ビタミンD」のチカラ。季節の変わり目のアレルギーや花粉症で悩んでいる方は、食事やサプリメントで意識的に「ビタミンD」を摂取してみてください。長期間摂取する場合は、ドクターにも相談してみましょう。

斎藤糧三先生 プロフィール
1973年東京都生まれ。医師。1998年に日本医科大学を卒業後、産婦人科医に。現在、日本機能性医学研究所所長、一般財団法人日本ファンクショナルダイエット協会副理事長、サーモセルクリニック院長、ナグモクリニック東京・アンチエイジング外来医長。機能性医学をいち早く日本に紹介し、日本人として初めての機能性医学認定医に。栄養療法、アレルギーの根本治療、ケトジェニックダイエットの啓蒙・指導、更年期症候群の治療、アスリートの栄養管理など、得意分野は多岐に渡る。著書に『慢性病を根本から治す「機能性医学」の考え方』(光文社新書)。『スーパーフード事典 BEST50―栄養素、効能、おいしい食べ方がわかる』(監修/主婦の友社)。そして話題の新刊『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる!ケトジェニックダイエット』(講談社)が2月24日発売に。 http://www.ifmj.jp/


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