斎藤工さんにインタビュー


斎藤工さんTakumi Saitoh

“アジア発”を生かす監督の視点に学び
ほぼ単身の海外撮影で「役とシンクロ」

「日本とシンガポールのいいとこ取りをするだけではなく、歴史にひもづいた物語です」。斎藤工さんは日仏シンガポールの合作映画「家族のレシピ」で、日本人の父とシンガポール人の母の間に生まれた青年・真人を演じる。両親の足跡をたどって母の母国へ向かった真人は、やがて2つの国の痛ましい歴史に翻弄された、家族のせつない過去にたどり着く。

ほぼ単身でシンガポールに向かった斎藤さん。現地で初めて会うクルーと過ごす状況が、自然と真人にシンクロしていったと話す。「撮影方法も少しドキュメントに近くて、『昭南島』の博物館で解説を聞いている場面は、僕自身が初めて現地の歴史を知って衝撃を受けたリアルな反応を撮っています。完成作を見たら、僕の心が実際に変動していった様子がそのまま真人になっていた。すごく稀有(けう)な体験をしました」

シンガポール映画界をけん引するエリック・クー監督からは、映画の完成後も世界を見据えた視点を学んだという。「彼の作品の神髄は強い社会性。その視点は世界に名をとどろかせる人の共通点だと思います。驚いたのは、昨年3月の時点で30カ国以上での公開が決まっていたこと。日本では『国内でいかに損をしないか』に基づいて映画が作られることが多いけれど、世界には74億の人がいます。“アジア発”という強みを世界でどう生かし、どんな市場で展開していくか考えると、企画の立て方から変わってくると感じました」

「仕事モードになったときに何かがあふれてくるタイプではない」と自己分析する斎藤さんにとっては、常に“日常が大事な糧”。あえてオン・オフを切り替えないことでペースを保ち、逆転の発想で本番に備える。「僕はリハーサルやオフの時間を本番だと思って過ごして、本番をリハーサルだと思って臨んだほうが精神的にうまくいきます。プレゼンや面談でもきっと同じ。準備はもちろん必要だけど、本番でいかにリラックスできるかが勝負です」

コレに出演!
「家族のレシピ」
 父(伊原剛志)が営むラーメン店で働いていた真人(斎藤工)は、父の突然の死をきっかに、10歳まで暮らした母の母国・シンガポールへ向かう。現地に住む友人・美樹(松田聖子)の助けを借りて、母の弟を見つけ出した真人はそこで両親のつらい過去と直面する。

3月9日(土)からシネマート新宿他で全国公開 ©Wild Orange Artists/Zhao Wei Films/Comme des Cinemas/Version Originale

PROFILE

1981年、東京都生まれ。モデル活動を経て2001年に俳優デビュー。最近の主な出演作に映画「昼顔」「去年の冬、きみと別れ」「のみとり侍」他。齊藤工名義の監督作品「blank13」で、上海国際映画祭の「アジア新人賞部門」最優秀監督賞を日本人で初受賞。2014年から移動映画館「cinēma bird」を主催

取材・文/渡部彩香(シティリビング編集部)、撮影/遠藤麻美、スタイリスト/川田力也(es-quisse)、ヘアメイク/赤塚修二(メーキャップルーム)


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