永瀬正敏さんにインタビュー


永瀬正敏さんMasatoshi Nagase

脚本にほれノンストップで読破
女性監督の“真っ向勝負”はかっこいい

国内外問わず、35年に渡って映画界で活躍を続けてきた永瀬正敏さん。最新主演映画の「赤い雪 Red Snow」では、幼い頃に弟が失踪し、心に傷を抱えて生きてきた白川一希を演じる。作品の重要なテーマは記憶のあいまいさ。一希は弟失踪の謎に関して重要な鍵を握る早百合(菜 葉 菜)と出会い、閉ざされていた自身の記憶と闇に直面する。「ミステリーの要素もあって、その中で人間の暗部がちゃんと描かれています。脚本の段階で人物像がしっかりしていて魅力的でした。僕も小説を読むように一気に読み切りましたが、あの脚本にほれてすごい役者さんたちが集まったのだと思います」

そんな脚本を作り上げた甲斐さやか監督との初対面では、あまりのギャップに衝撃を受けたという。「監督は小柄で穏やかなかわいらしい女性で『え? この人がこんな脚本を書いたの?』と驚きました。最近は女性監督と仕事をする機会が増えましたが、彼女たちは人の闇の部分から逃げずに真っ向からぶつかっていく。そこがすごくかっこいいですね」

降り積もる雪のように、美しい景色の底に冷たい記憶が沈んでいる映画。しかし、撮影現場での永瀬さんは「ふざけていて迷惑な役者だった」と笑う。「菜 葉 菜さんが本当に役に入り込んでいて、つらいだろうと思うくらい。だから力を抜ける時間をわずかでも作りたくて」。その優しさは自身の経験から来たもの。「僕も昔はそうでしたが、一つのことにのめりこんでいると、その視界から外れたところに面白いものがあるのに見逃してしまいます。40代になってから少し“引き”で見たり、気づけるようになりました。20代のうちはそれぐらいがいいと思うけれど、今の若い子には『もう少し時間が経てば楽になるよ』と言ってあげたいです」

自身の息抜きは超インドアで“猫”だとか。「この仕事はスイッチを切り替えるのが難しいので、1日でも完全オフの時間を意識的に作ろうとしています。素を出したり、自分を甘やかす時間は必要だし、その勇気を持てることが大事ですね」

コレに出演!
「赤い雪 Red Snow」
 ある雪の日に一人の少年がこつ然と姿を消した。少年を見失った兄・白川一希(永瀬正敏)は、自分を責め心に傷を負う。30年後、事件の容疑者と思われていた女の娘・早百合(菜 葉 菜)の所在が分かり、一希が会いに行ったことから運命の歯車が動き出す。

2月1日(金)からテアトル新宿他で全国公開 (c)「赤い雪」製作委員会

PROFILE

1966年、宮崎県生まれ。1983年映画「ションベン・ライダー』でデビュー。2015年「あん」、2016年「パターソン」、2017年「光」の3作品で、日本人俳優として初の出演作3年連続カンヌ国際映画祭出品を果たす。近年の主な出演作に「64-ロクヨン-前編/後編」「蝶の眠り」「ビジョン」「パンク侍、斬られて候」「菊とギロチン」「鳩」ほか

取材・文/渡部彩香(シティリビング編集部)、撮影/中原幸、ヘアメイク/遠山美和子(THYMON Inc.)、スタイリスト/渡辺康裕(W)


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