齊藤先生に聞く!【43】食事と妊娠の関連


妊娠と、ファストフードや果物を
摂取することの関連って?

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。今回は、オーストラリアのGrieger先生がHuman Reproduction に投稿した、妊娠と食事に関する論文についてご紹介しましょう。

早く妊娠したいなら、食生活を見直すことが大切!?

なかなか妊娠しない方からの質問で多いのが、したほうが良い・するべきでない生活習慣です。そこでタバコは吸わないほうが良い、体重も太りすぎ・やせすぎは良くないこと、適度な運動をしたほうが良いとお伝えしています。

また、何か食べた方が良いものや、食べないほうが良いものについてもよく聞かれます。そんなときには、“なるべくバランスの取れた食事を”と、言うだけでした。

ところが最近、食事の種類に関して、面白い研究が発表されました。

オーストラリアのGrieger先生が書かれた論文「Pre-pregnancy fast food and fruit intake is associated with time to pregnancy(妊娠前のファストフードや果物の摂取は妊娠までの期間に影響する)」(Human Reproduction, dey079, https://doi.org/10.1093/humrep/dey079 )です。

同論文では日常摂取する果物・ファストフード・野菜・魚について摂取頻度別の3~4群に分け、妊娠を意図してタイミングや不妊治療を開始してから妊娠するまでの期間を比較しています。なお、大半の方(94%)は自然妊娠だったそうです。

摂取頻度のグループは食物によって異なります。果物では(1)1日に3回以上(2)1日に3回未満1回以上(3)週に1-6回(4)月に1-3回未満の4群です。ファストフードでは(1)週に4回以上(2)週に2回以上4回未満(3)週に0回を超え2回未満(4)決して食べないの4群です。野菜や魚についてもそれぞれ、摂取頻度で群を分け比較しています。

また、今までの研究で、妊娠までの期間に影響を与えることがすでに判明している因子、喫煙、男女の肥満、男女の年齢、以前流産歴、性交頻度などの交絡因子を調整してあります。

その結果のグラフ(自然妊娠は青色。オレンジは総妊娠)をみてください。

果物とファストフードでは摂取頻度の各群に差を認め、野菜と魚には差を認められませんでした。果物摂取では1日に3回以上摂取している群をコントロールとすると、それより少ない群では妊娠するまでの期間が延長しています。

また、ファストフードを週4回以上摂取する群と比べると、週4回以下未満の摂取群では妊娠までの期間が短縮しています。この結果では野菜や魚には影響が認められていません。

とはいえ、例えば野菜の最高摂取頻度の群は1日に1回以上となっているものの、もし、1日3回の群と比較をしたらどうなるか、というのはまだ分かりません。もっと研究が必要でしょう。

健康のためには野菜も魚も大切だと思います。さらに同論文によると、早く妊娠したいなら、まずは果物を頻回に摂取すること、ファストフードをなるべく食べないようにすることが大切だと考えられているようです。

皆さんご自身の食生活はどうでしょう? 今一度、振り返ってみてくださいね。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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