齊藤先生に聞く!【38】理想的な出産適齢期はいつまで?


妊娠中のトラブル、産後の子育て…。
早めの人生設計でリスクを減らそう!

前回に引き続き、今回も読者から寄せられた質問に齊藤先生が回答します。シティ世代の女性のリアルな悩み、きっとあなたにも役に立つことがあるはず!

【質問】何歳くらいまでに出産を終えると理想的なのか、その理由もあわせて教えてもらいたいです(25歳)

【齊藤先生の回答】

医学的に答えると20代、という答えになってしまいます。

というのも、若ければ若いほど良いというわけではなく、10代での妊娠はカラダの未熟性などの理由により妊娠・出産のリスクも高いため、できれば避けたほうが良いと考えられています。

20代になると妊娠・出産に一番適した年齢になり、ピークは20代半ばと考えて良いと思います。

ピークを越えると徐々に妊娠しにくくなるだけでなく、妊娠中も流産、妊娠高血圧症候群、前置胎盤などのトラブルが増加します。分娩の際には、周産期死亡率や母体の死亡率も増加しています。

さらに、出生した児の先天異常率も上昇してきます。例えば21番の染色体が1本多いダウン症候群の発生頻度は、20歳で約1500人に1人ですが、30歳で約1000人に1人、40歳で約100人に1人、45歳で約30人に1人となっています。女性の年齢が高くなるにつれ、妊娠・出産へのリスクは何倍にも増加します。

また、妊娠・出産する際には健康・体力が大切です。健康に関しても、年齢が高くなるにつれていろいろな病気を発症する可能性が高くなります。例えば乳がんや子宮がんの罹患率は20代後半から急速に増加します。

これらの理由により、医学的な妊娠・出産の適齢期を尋ねられたら、20代となります。

ここで、皆さんに知っていただきたいことがあります。

皆さんの中には妊娠しようと思えばすぐに妊娠できると思っている方も多いと思います。

しかし自然のタイミングで90%の確率で児を持つためには、妊活は若い時期から始めなければなりません。児を1人持ちたい場合には遅くとも32歳、2人持ちたい場合は27歳、3人持ちたいならば25歳には、妊活を始める必要があります。

不妊治療があるから大丈夫だと思われる方もいらっしゃると思います。そこで、体外受精による治療を考慮しても、児を1人持ちたいなら遅くとも35歳、2人なら31歳、3人なら28歳から、妊活を開始しなければなりません。

しかも、出産すれば終わりではありません。子どもが育つまで、子育てのために自分の健康や体力を維持しなければなりません。30代後半での妊娠・出産・育児は、体力的にかなりきつく感じることも増えることでしょう。親に自分の子どもの子育てを手伝ってもらうとしたら、親の健康や体力を考慮しなければならないし、出産年齢が高まるにつれ、子育て中に親の介護をしなければならない可能性も高くなるでしょう。

とはいえ、今の社会の現状からは、働き方改革がもっと実のあるものにならない限り、「20代での妊娠・出産は難しい」と考える方が多いことでしょう。

個人個人の考え方や置かれた状況は異なりますので、ベストのタイミングもそれぞれ異なります。

大切なのは、自分の周囲の状況を考慮し、人生設計を若いうちから考えておくことだと思います。
医学的な妊娠適齢期を知った上で、自分の人生をぜひ早めに設計してみてください。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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