齊藤先生に聞く!【36】子育ても含めたライフプランを


実感しています、子育ての適齢期

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。2018年最初のコラムは、私自身が“子育てにも適齢期がある”と実感した体験について、お話ししましょう。

第一子平均出産年齢は男性32.8歳、女性30.7歳(2015年)

これまでは、主に“妊娠や出産には医学的適齢期がある”と、さまざまな角度から紹介してきましたが、最近、孫と接する機会があり、“子育てにも適齢期がある”ことを強く意識しました。

若いころ自分の子どもたちを育てていたときには感じなかったのですが、60歳を越えた今、孫たちに接すると、そのときは楽しいけれど後からぐったりと疲れを感じます。

若いと体力があるので、子育てもそれなりに大変とはいえ、体力で乗り切れるものですね。幸い私も自分の子育てが20歳代で始まりましたので、子育ては大変ながらも楽しめたのだと思います。しかし高齢になるにつれ、体力が少しずつ衰え、子育てにも疲れをより強く感じるようになりました。子育てを終え、孫と接するようになってからは、一層その疲れを感じます。また、以前にもお話したことがあると思いますが、高齢になるにつれて、いろいろな病気の発症も多くなります。

子育てを楽しむには、体力や健康が必須であると思います。

私の若いころは周りに若くして子どもを持つ方が多かったので、若い時期に子どもを持つことが当たり前だと思っており、特に年齢を意識することなく、自然と子育て適齢期に子育てができたのだと思います。

しかし、現在は子どもを持つ年齢がどんどん遅くなり、2015年の男性・女性の第一子平均出産年齢は、32.8歳・30.7歳となっています。また、第15回出生動向基本調査(2017年)の報告書を見ると、夫婦が理想の子ども数を持たない理由の一つである育児負担に関して「これ以上育児の心理的、肉体的負担に耐えられない」を選択した方が、20歳代(15.7%)、30歳代前半(22.7%)、30歳代(24.5%)と年齢が上がるにつれ、その比率も増えています。高齢になると「子どもが欲しいけれどもできない」「健康上の理由から」だけでなく、体力の点からも、希望の子ども数を持たなくなります。

おそらく子どもを持っていない方でも、仕事に関して同じように感じているのではないでしょうか?

20歳代だと、仕事がきつくても何とか体力で乗り切ることができ、達成感もかなりあるのではないでしょうか? ところが高齢になるにつれ、仕事がきついと強く感じるようになり、何とか乗り切ったとしても、疲労感の方が先に立つことはないでしょうか?

今の健康や体力は、永遠に続きません

若いころから仕事と家庭の両立を試みたところで、個人の努力だけでなかなか達成できるものではありません。

国や企業が働き方改革を実のあるものにするべく、率先して取り組む必要があります。

さらに一人ひとりが、今、個人でできる範囲のことを積極的に取り組むことも大切です。私もそうでしたが、若いときは、今の健康や体力がいつまでも続くと勘違いしています。絶対にそうはならないのですが、イメージが湧きません。ですから、自分の近くにいる信頼できる年配の方や身内にいろいろ尋ねてみるのもよいでしょう。

いろいろな情報を得た上で、自分のライフプランについて考えてくださいね。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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