齊藤先生に聞く!【58】ライフスタイルと妊娠までにかかる期間<前編>


習慣を見直すことで
妊娠が近づくかも!?

体重、喫煙、アルコール摂取、コーヒーや紅茶の摂取…何が妊娠に影響する?

こんにちは、産婦人科医の齊藤英和です。みなさんは、ライフスタイルが妊娠に関係することはなんとなく、感じているのではと思います。
このコラムでも以前に、食生活の違いによって、妊娠するまでにかかる期間が変化することをお話ししました(第43回)。内容としては、果物を摂取すると妊娠するまでにかかる時間が短くなり、ファストフードは長くなる、というものでした。

今回紹介する研究は、さらに多くの要因について研究しています(Hassan MAH et al. Fertil Steril 81; 384-392, 2004 )。この研究はとても重要かつ、要因のほとんどすべては自分の意志で改善できることですので、今回と次回の2回に分けてお話ししたいと思います。

この研究では体重、喫煙、アルコール摂取、コーヒーや紅茶の摂取、脱法薬物の使用、性交回数、生活水準について検討しています。このうち、妊娠までにかかる時間に影響した項目は、女性の体重、女性の喫煙、男性のアルコール摂取、女性のコーヒーや紅茶の摂取でした。体重に関しては、妊娠するまでの期間ばかりでなく、第54回のコラムでもお話ししたように、胎児・新生児の死亡率にも関係するので、とても重要な要因といえます。

図をみてください。この図は6つの要因(女性の喫煙、男性の喫煙、女性のアルコール摂取、男性のアルコール摂取、女性のコーヒー・紅茶の摂取、女性の体重)による妊娠までにかかる時間の変化を示しています。

まず、女性の喫煙ですが、グループIが喫煙なし、IIが日に5本以下、IIIが6から10本、IVが11から15本、Vが16から20本、VIが21本以上です。このように、喫煙本数が増加するほど、妊娠までにかかる時間が長くなります。しかし、男性の喫煙は、喫煙本数が増えても妊娠までにかかる期間には影響がみられませんでした。

次に、アルコール摂取ですが、グループIがアルコール摂取なし、IIが週に5単位以下、IIIが6から10単位、IVが11から15単位、Vが16から20単位、VIが20単位を超えた量です。1単位は純アルコールが20gです。男性では、週に20単位以上摂取する人では、有意に妊娠までにかかる期間が延長しています。また、女性では週に15単位を超えてアルコールを摂取している人がいませんでしたので、影響が出ないとされています。

女性のコーヒーや紅茶の摂取ですが、グループIが摂取なし、IIが日に5杯以下、IIIが6から10杯、IVが11から15杯、Vが16から20杯、VIが20杯を超えたグループです。交絡因子を調整すると有意差はなくなるのですが、日に7杯以上摂取している人は、妊娠しにくくなるようです。

最後に体重ですが、グループIがBMI<19、IIが19<BMI<25、IIIが25<BMI<30、IVが30<BMI<35、Vが35<BMI<39、VIが39<のグループです。このグループのうち、グループIIが妊娠までにかかる期間が一番短いという結果に。BMI19未満のグループでは、一番時間がかかりました。BMIが25以上のグループでは、BMIが上昇するにつれて、妊娠までにかかる期間も長くなりました。

以上から、ライフスタイルの色々な要因が妊娠に関わることが分かったと思います。現在身についている習慣を変えるのは大変とは思いますが、自分の意志でコントロール可能な要因でもあります。妊娠したいのになかなか妊娠しない人は、考慮してみてはいかがでしょうか。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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