齊藤先生に聞く!【57】禁欲期間と精子の性状


禁欲期間が長いほど
良い精子が増えると思っていませんか?

まずは排卵日数日前から1日おきにタイミングを数回取ってみて

こんにちは、産婦人科医の齊藤英和です。精子のことに関しては以前にもこのコラムでお伝えしてきました。精子にも加齢の影響が起こることや、世界保健機構が定義している精液性状についてもお話しました。妊活をするにも精子のことをもっと知っておくと、自分のライフプラン作成において、より良い方向性が決められると思います。

今回は、禁欲期間の長さ(禁欲期間0日から14日)によって精液性状がどのような影響を受けるか、というテーマで研究した結果(Levitas E. et al, Fertility and Sterility 83, 1680-1686 2005)について、お話しようと思います。
この研究では、9489個の精液検体を用いており、かなり信頼性の高いデータといえます。

皆さんは、禁欲期間が長いほど精子が貯蓄されて、たくさん良い精子が準備されると考えてはいませんか? 実はそんなことはないのです。この研究から、精液性状が正常な男性でも、11日以上禁欲すると精子の運動率や正常形態精子率は低下してしまうことがわかりました。

精子減少症(精子濃度が薄い:20x106/ml未満 ―2010年にWHO定義改定―)の人では、禁欲期間が1日の精子の運動率が一番高く30.3%でした。また、精子減少症でも濃度がやや低い程度(4x106~20x106/ml未満)の人では、正常形態精子の率は、禁欲期間が0日から2日の値が一番高値でした(7.4~8.6%)。

総運動精子数においては、精子性状が正常の人では、4日以上の禁欲期間を設けたほうが、それより短い禁欲期間の人よりも高い値でした。

一方、精子減少症の人では、禁欲期間が0日だと総運動精子数はやや低い値になりますが、1日以上のいずれの禁欲期間でも、総運動精子数は禁欲期間0日よりもやや高値(7~8.9x106/ml)であり、1日以上の禁欲期間においては、大きな変動はほぼ認めませんでした。

以上の結果から、これから妊娠を考えられている夫婦においては、精子性状がよい悪いにかかわらず、短い日数の禁欲期間(1~2日)のほうがよりよい結果が得られる可能性が高いと推測できます。

不妊治療ではまずタイミング法(排卵日に性交するように指導すること)や人工授精を行いますが、不妊治療を受ける前に、排卵日数日前から1日おきにタイミングを数回取ってみることで、妊娠の可能性が高まると考えられます。
いろいろなことを知って、トライしてみてくださいね。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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