齊藤先生に聞く!【54】体重の増加が妊娠に及ぼす影響


妊婦のBMIと
胎児・新生児の死亡率の関係性

こんにちは、産婦人科医の齊藤英和です。今回は、体重が重いと妊娠にどのような影響が出るか、ということについてお話しします。

妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、血栓症の発症や分娩時の帝王切開などのリスクが増加

太るとスタイルが悪くなると思い、体重の増加を気にしている人は多いと思います。また、それ以外にも健康面で、いろいろな病気の発症が増えることもご存じかと思います。

体重の増加が妊娠にどのような影響を及ぼすかについてですが、これに関しては昔からたくさんの研究報告があります。体重が重い母親の場合、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、血栓症の発症や分娩時の帝王切開の率が増える可能性があるといわれています。

一方胎児は、先天異常児や巨大児の発症率が高くなり、分娩時のアプガースコア(赤ちゃんの呼吸状態)が低値(悪い状態)になる可能性があります。また、肥満の女性では流産や死産、また、出生後の新生児時期の死亡も増加すると報告されています。

今回紹介する北英国の研究(TennantP.W.G , Human Reproduction 26; 1501-1511,2011)は、BMI(Body MassIndexの略、身長・体重のバランス)の記載がある人で、多胎妊娠や検査で胎児が先天異常児であることがわかった人、妊娠前に糖尿病が診断されている人を除いた2万9856人を対象にして、体重が胎児や新生児の死亡へどのような影響があるのかについて調査しました。
すなわち妊娠前に健康な女性で妊娠した胎児の数が単胎の妊婦、かつ妊娠中の超音波検査で胎児に先天異常が認められなかった妊婦において、体重が妊娠分娩にどのような影響があるのかを調査した研究です。

図を見てください。妊婦のBMIと胎児、新生児の死亡率との関係を示しています。

これからもわかるように、BMIが23kg/m2のところで胎児、新生児の死亡率一番が低くなっています。これよりBMIの値が低くても高くても、死亡率は上昇しています。

この研究では多数の患者のデータ(2万9856人)を扱っていますが、健康な(Recommended)BMI(18.5-24.9)の人と比較し明らかに死亡率が上昇したのは、肥満(BMI>30)のグループだけでした。しかし、もっと多くの患者で研究ができたら、やせ(BMI<18.5)、太り気味(BMI:25-29.9)のグループでも、健康なグループと比較すると、有意に上昇したと結論できると推測しています。

みなさんは、日ごろからスタイルや健康の点から体重を気にしていると思います。これから妊娠しようと考えている人は、健康な体重が妊娠中や出産後の赤ちゃんにもよい影響を与えることも意識していただけると、健康な体重を維持することのやりがいが増すでしょう。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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