齊藤先生に聞く!【51】積極的に摂取! 「葉酸」は妊娠に欠かせないビタミン


胎児の正常な発育だけでなく
脳卒中や心筋梗塞にも関係!?

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。今回は葉酸のお話をしましょう。

野菜や、レバーなどに多く含まれるビタミンの一つ

葉酸は体の機能を維持するために、とても大切なビタミンの一つです。名前の通り、ほうれん草・ブロッコリー・モロヘイヤ・アスパラガスなどの野菜や、レバーなどに多く含まれています。葉酸は、細胞が分裂し増殖するときに必要なDNAなどの核酸を合成する重要な役割を担っています。このため、細胞分裂が活発である胎児の正常な発育には欠かせません。

最近では、成人において脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患を防ぐ効果も報告されています。動脈硬化の危険因子であるホモシステインをメチオニンに変換する反応を、ビタミンB12と葉酸が助けて、動脈硬化を予防しています。

20代から40代の食事摂取基準葉酸の一日の摂取の推奨量は、240ug(マイクログラム)です。妊娠中の女性は、倍の480ugの摂取を厚生労働省が推奨しています。米国では600μgと、さらに高い推奨量です。

葉酸を効率よく摂取するために一体どれぐらいの野菜を食べればいいのか、目安になる数値をお知らせしましょう。ゆでたほうれん草には100gあたり約210ug、ゆでたアスパラガスには100gあたり約190ugが含まれていると言われています。

現在は食生活の変化から、どの年齢でも摂取量が減ってきているのですが、特に若い人では一日の摂取の推奨量の240ugにも満たない人がかなり多くなっています。妊娠している人の推奨量480ugと比較すると、かなり深刻な状態です。

また、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)の概要には、「妊娠を計画している女性、または、妊娠の可能性がある女性は、神経管閉鎖障害のリスクの低減のために、付加的に400ug/日のプテロイルモノグルタミン酸(加工食品などに添加されている葉酸は「モノグルタミン酸型」<グルタミン酸が一つ結合した形、プテロイルモノグルタミン酸>となっている) の摂取が望まれる」とされています。

葉酸不足が不妊の原因に!?

最近、葉酸摂取の低下が不妊の原因となる可能性を示唆する報告も出ています。葉酸不足になると月経不順、排卵障害、黄体ホルモン分泌不全などが起こりやすく、不妊の原因となるようです。

また、ベルギーで大規模な調査も行われました。葉酸とマルチビタミンを服用した人と服用していない人のある一定期間における妊娠率を比較した研究です。この研究結果は服用しない人と比べると、服用した人のほうが高い妊娠率を示しました。さらに、葉酸を服用した人は、血中・卵胞液中葉酸濃度が高くなるばかりでなく、ホモシステイン濃度が低下。服用により、質の高い卵子が発育する可能性があることが報告されています。

これから妊娠を希望する人は、妊娠の可能性を高めるために摂取を心掛けましょう。妊娠してからも、胎児が健康に発育するために、通常の食生活に加えてさらなる葉酸の摂取に気をつけることが大切です。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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