齊藤先生に聞く!【46】増加を続ける、日本の生殖補助医療


最新! 2016年、
生殖補助医療の現状

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。今回は、一昨年、昨年に引き続き日本の生殖補助医療について(第32回 1年前に比べ約3万件増加、高度不妊治療)、2016年のデータが発表されましたので最新情報をお伝えしますね。生殖補助医療とは、体外受精などの高度不妊治療のことです。

約17人に1人が生殖補助医療の治療により出生しています

今回まとめた2016年の治療総数は44万7790件で、2015年よりも約2万3000件増えました。

毎年増え続けているため、増加傾向は変わらず維持されているものの、その増加数は最近5年間で最も低い数値となっています(2014年から2015年の増加数は約3万件でした)。高度不妊治療は受ける方の負担も大きく、受ける方が増え続ける現状を打破することが非常に大切なので、できる限りこの数値が減少することを願っています。

さて、図で示されている右の数値は、高度不妊治療を受けている40歳以上の方の割合です。

2015年までは上昇傾向でしたが、2016年は42.8%と依然高い数値であるものの、2015年に比較すると少し低下しています。生殖補助医療の治療は年齢が高くなるほど治療成績が落ちます。そんな中、治療を受けなければならない人が増えてはいるものの比較的高い年齢の方が減り、若い方が増える傾向に変化しつつあります。

2016年の治療により、5万4110人が出生しました。日本の年間の全出生数と比較すると、おおよそ17人に一人が生殖補助医療の治療により出生していることになります。かなり多くの方が治療を受けた結果、赤ちゃんを授かっていることになります。

治療によるデメリット=精神的・経済的・肉体的・時間的負担を忘れないで

とても大切なことをお伝えします。みなさんはこの数値を見て「不妊治療があるからいつでも産める」と思わないでください。

治療を受けている大多数の方は、もっと若いときに出産を計画していれば、自然に妊娠・出産が可能だったことでしょう。治療を受けることによる、精神的負担・経済的負担・肉体的負担・時間的負担・仕事への障害を考えた場合、治療を受けずに済めばそれに越したことはありません。

ですから少しでも若い時期に、自分は子どもを産む・産まないについて選択すること、産むとしたらその年齢など、ライフプランを設計することは、自分自身が希望する人生を歩める可能性が高まることを、しっかり心に留めておいてくださいね。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員

※記事中の図は日本産科婦人科学会のデータなどに基づき、齊藤英和先生が作成


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