料理家SHIORIさんに聞く! 仕事でつくる30代の生き方


22歳で料理家としてデビューし、レシピ本「作ってあげたい彼ごはん」がベストセラーになったSHIORIさん(33歳)。
20代前半でキャリアの最初のピークを迎えた後、経営者の肩書きも加わりながら30代の現在もしなやかに前進し続けています。
普段あまり語られないSHIORIさんの仕事にかける情熱や「好き」を仕事にするヒントを、働く女性100人と一緒に聞きました。(主催/シティリビング 会場/スマートニュース本社)

●仕事の不安は学んで「自信をつけるしかない」

周囲からは順風満帆に見えた20代。SHIORIさんは内心、不安と葛藤でいっぱいだったと言います。
「25歳までには『彼ごはん』に替わるベストセラーを出すというノルマを自分に課して企画を考えていたのですが、なかなか生み出せなかった。早い段階でピークがきて、29歳、30歳ぐらいのときは、前へ進みたくても進めない、人生の踊り場にいるような気持ちに。20代後半は苦しかった」と振り返ります。
27歳で結婚。「世間が持ってくださる彼ごはんのイメージから脱却しなければという焦りが増しました」。けれど、主婦をターゲットにした料理研究家は大勢いる。「一時は引退も視野に。フードコーディネーターとして、おいしそうに見せる術は学びましたが、料理の基礎はすべて独学。悩んだ末、不安を解消するには自信をつけるしかないと、気持ちの切り替えを兼ねて、海外で家庭料理を学ぼうと決めました」

モデレーターはスマートニュース谷本尚子さん(中)とシティリビング編集部児玉あゆこ

「料理って自由」 海外で見つけた方向性

最初に向かったのは、食の都・パリの料理学校。
「初級クラスに1カ月間入り、時間があればほかの料理教室に通い、食べ歩く毎日。料理家デビューから5年間、アウトプットばかりだったので、見ることすべてが新鮮。学ぶってこんなに楽しいんだと思いました」
フランス、イタリア、タイ、ベトナム、台湾などへ短期留学を繰り返し、気づいたのは「料理って自由でいい」ということ。2年後の29歳で自身のアトリエ設立を決意します。
「海外の教室は雑談したり、自由に味見をしたりとても自由。こんな教室を私もやりたいと思い、まずは自分の“城=アトリエ”を持とうと決めました」
アトリエオープンに伴い、会社を設立。経営者という肩書きも加わって現在4年目になります。
「まだまだひよっこ。インプットして前進するためにも、私がいなくても会社が回って利益を生み出せるシステムづくりを勉強中です」

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自分の中の確信を経て直感で動く

昨年はファラフェルサンドイッチ専門店「バロン」を開店。
「数年前にパリで食べて、植物性の食材だけでこんなにおいしいなんて! と価値感を揺さぶられました。彼ごはんのような肉・魚メインの男性受けする料理を作ってきた私には衝撃で。それにパリではベジタリアンでない人でも普通に食べる選択肢になっている。日本にはなぜこういう文化がないの?と思ったときに、ならば自分で作ればいいと思ったんです」

SHIORIさんがプロデュースする
中目黒にあるファラフェルサンドイッチ専門店「バロン」のサンドイッチ

やりたいと思ったら、「これを世の中に広めたい!」という自分の中の確信を経て、直感で動く。それは彼ごはんのころから変わらない。
「将来的には、定番の家庭料理を出す定食屋さんを開くのが夢。タクシーの運転手さんも、学生さんも、みんなが立ち寄れる“実家感”のあるお店にして、私自身もキッチンに立ちたい。最後はやっぱり、対面で『おいしかったよ』と言ってもらいたいです」

“好き”を仕事にするための6ポイント

1. 好きなことを得意なことに
好きだけで仕事にするのは難しい。「まずは『好き』を『得意なこと』に。それが『社会から求められること』なら仕事になる。やりたいこと、やれること、求められること、この3つを満たすことがいいと思います」

2. やりたいと思ったらやる
「やりたいと思ったら、挑戦する人生を選びたい」とSHIORIさん。「やった後悔は学びになるけど、やらなかった後悔は何も残らないんです」。だからやる!

3. 不安があれば原因分析
「過去に不安に陥ったときの原因は、お金と経験不足。事業を始めるときは預金残高が減り不安になりますが、事業計画・見通しを立てられるとホッとします」

4. 壁にぶつかったら立ち止まる
前向きに見えるSHIORIさんでも自信がなくなったり壁にあたることも。そんなときは「いったん立ち止まります」。何かに挑戦するときも「100%自信があればやる、ないときは時期尚早かもと思って立ち止まります」

5. 不安を原動力にして努力する
料理の専門教育を受けていないことにコンプレックスを感じていた20代。「キャリアが不安になったとき、勉強のスイッチが入りました」

6. 自分一人で背負い込まない
結婚後も仕事中心の生活。「負い目を感じる必要はありません。家事も全部自分でやろうせず、パートナーとの話し合いが大切。仕事でも相談できる相手が増えたことは30代になってよかったことの一つです」

(文/新田理恵 撮影/小野綾子)

SHIORIさん
プロフィール/SHIORI

料理家、フードコーディネーター。1984年生まれ。短大卒業後、料理家のアシスタントを経て独立。 2007年に出版した「作ってあげたい彼ごはん」がベストセラーに。女性誌やテレビなどで活躍。2014年代官山に料理スタジオ「L’atelier de SHIORI」設立。2017年中目黒にファラフェル専門店「バロン」開店。欧州やアジアなどへの定期的な短期留学で料理の腕を磨いている。趣味は旅と食べ歩き。新著に「SHIORIの2人で楽しむゆるつま」(講談社)。著書は累計400万部超。シティリビングで「SHIORIのデイリーレシピ」連載中


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