35歳で会社をクビに…。どん底から救ってくれた「資格」の大切さ


35歳、いきなり失職! 助けてくれたのは「資格」でした

「今の仕事がいつまでもあると思ってはいけない」
「仕事があるのは“当たり前”ではない」
私は常にこう思いながら仕事をしています。

それは35歳の時、ほぼクビ同然で週刊誌の記者の仕事を失ったからです。
しかも突然に。

理由は新しく赴任してきた上司とそりが合わなかったから。彼はいわゆる「首切り要員」で違う部署から来た方でした。私は前の上司に慣れていたこともあり、彼のやり方がどうしても肌に合わず反発ばかりしていました。ある日、ホンの些細なことで彼と言い合いとなり、私は翌日から職を失います。今だったらもっとうまく立ち回っていたと思いますが、まだ若さゆえの正義感が勝っていた私は、まさにゴミのよう、11年以上在籍した編集部から放り出されてしまったのです。

そこからはもう悲惨。

いきなりフリーランスになったこともあり、カードさえ作れませんでした。もちろん仕事もありません。あるのはただ時間ばかり。昼夜の区別もなかった多忙な記者生活から一転、35歳で完全無職のフリーターになってしまったのです。ライター以外の仕事を探そうにも、就きたいと思う仕事は年齢制限でひっかかり、スタートラインにさえ立てない状況。パソコンスキルもない私には一般事務もまともにできそうにない。もう実家に戻って、両親の世話になるしかないのだろうか。それよりも家のローンはどうしたらいいのだろう? このまま支払えなかったら…。とまあ、この頃はこんな感じで日々、ネガティブなことしか考えられませんでした。

塩漬けにしていた資格がようやく生きた!

落ち込むところまで落ち込んだ後、「何とかしなくちゃ」とようやく一念発起。突然の失職から既に半年以上経過していました。私が最初に行ったのは、ホームページを作ること。収入がないので自作するしかありませんでした。プロバイダーが提供する簡易なホームページ制作ツールを使って、数日かけてホームページを完成。自分のプロフィールの中に何を入れたらいいか悩んだのですが、31歳の時に思いつきで取得した民間資格「きき酒師」を何となしに書いておいたのです。すると、これを見た大手出版社の編集者から「雑誌で日本酒の特集記事があるので執筆をお願いしたい」という依頼がメールで来たのです。正直、それまで資格は塩漬け状態で、日本酒の記事はほとんど書いたことがなかったのですが、「何とかなる」と思い、依頼を受けたところ、その記事が非常に好評だったということで、その雑誌でレギュラー執筆陣として使ってもらえるようになりました。さらにその雑誌の記事を読んだ別の出版社の方から執筆依頼が来るようになり、気づけば日本酒や本格焼酎、泡盛の記事を中心に書くようになっていました。そして今に至るというワケです。

今思うと、資格は取得したものの、日本酒の作り方はもちろん、「生詰酒と生貯蔵酒の違い」や「生酛」、「山廃」さえ詳しく説明できなかったのに、よく仕事を受けたなと思います。結局、無職の私を助けてくれたのは「何とかなる」という根性と、「きき酒師」という資格でした。この資格は3年前から肩書に入れていませんが、この資格を持っていなかったら、今の私はなかったと思います。この時、改めて「資格」というものが、いかに助けてくれるかを思い知りました。そしてまた自身の経験を通じ、「資格の大切さを伝えたい」、さらには「自分自身でキャリアに役立つ資格を作りたい」という思いが徐々に心の中で芽生え始めました。それが形となったのが2015年に設立した「一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション」だったのです。

★次回は取得した資格の活かし方、取得する資格の選び方についてお話します。

葉石かおり
プロフィール/葉石 かおり(はいし かおり)

エッセイスト・酒ジャーナリスト
一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長
1966年東京都練馬区生まれ。日本大学文理学部独文学科卒業。ラジオレポーター、女性週刊誌の記者を経て現職に至る。全国の日本酒蔵、本格焼酎・泡盛蔵を巡り、各メディアにコラム、コメントを寄せる。「酒と料理のペアリング」を核に、講演、セミナー活動、酒肴のレシピ提案を行う。2015年に一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーションを設立。国内外にて世界に通用する酒のプロ、サケ・エキスパートの育成に励み、各地で日本酒イベントをプロデュースする。そのほか執筆をはじめ、「日本酒のいろは」(NHK Eテレ)など各種メディアで活躍。日本酒と食事をよりおいしく味わえるペアリングの極意を、ロジカルかつわかりやすく解説。
■一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション http://jsa20150701.wixsite.com/japan-sake


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