結婚はしたくないけど子どもは欲しい女性たち “選択的シングルマザー”とは?


家族の形態が多様化している昨今、結婚して出産して子育てをする、という従来では当たり前とされてきた女性の生き方も時代とともに変化を遂げているようです。その一例が“選択的シングルマザー”という生き方。今回は、密かにニーズがあると言われているその実態について探っていきます。

●欧米でも近年急増する「選択的シングルマザー」とは

「シングルマザー」と聞くと、パートナーの男性との間に子どもができたにも関わらず、男性が籍を入れてくれなかったり結婚してもすぐに離婚したりといった、何らかのネガティブな理由によって、女性が一人で苦労しながら子育てをしているイメージを持っている人も多いでしょう。

またシングルマザーは家族における一番の稼ぎ手である男性を失ったことで、貧困や不幸と関連付けられて語られることが多くありました。

しかし選択的シングルマザーとは、そうした「望んでいない形」でシングルマザーになるのではなく、女性が自らの意志でシングルマザーの道を選ぶこと。具体的な理由としては、「結婚はしたくないけれども、年齢的に子どもは欲しい」、「男性に頼らず、自分の力で子どもを産み育てたい」というものです。

晩婚化や高齢出産が当たり前になってきている中で、若く体力のあるうちに出産をして子育てをしたい、自分の経済力で子どもを養いたいなど、昔よりも自立した考えを持つ女性が増えていることが背景にあります。

●どの男性の子どもを産むか 日米の状況は?

アメリカでは未婚女性に対しても精子バンクによる精子提供が認められており、1990年初頭の5万人から、2008年では15万人にまで増えたと言われている選択的シングルマザー。

同性愛者であることをカミングアウトしたハリウッド女優のジョディ・フォスターも、精子バンクを通じて見ず知らずの男性の精子によって人工授精を受け、未婚のまま二人の男児を出産しました。

しかし、日本国内の精子バンクは、不妊に悩む夫婦にのみ利用が認められています。そのため利用したい場合には海外の精子バンク機関をあたるしかない状況で、時間や費用を考えるとハードルは低くありません。また国内でも民間で精子提供を行っているところがありますが、安全性の確証があるものではないと言われています。

そのため日本における選択的シングルマザーの多くは、特定のパートナーとの性交渉で子どもを授かり、そのまま結婚をしないというケースになっています。この場合は、認知や親権の問題で揉めないよう、あらかじめパートナーには自分がシングルマザーとして育てていくつもりであることを説明しておくことが重要になってきます。

●実は意外なメリットも

現代の日本では「ワンオペ育児」が問題になるなど、育児のほとんどは妻側が負担している状況。男性の家事や育児への参加度は依然として低く、仕事も育児もすべてこなす、シングルマザーのような働くママも少なくありません。

選択的シングルマザーのメリットとして、夫婦間のゴタゴタが一切ないという点が挙げられます。「私がこんなに頑張っているのに!」、「どうしてもっと育児を手伝ってくれないの」といった不満はもとから抱く必要がない状況なので、「結婚しているよりも気楽」「誰にも干渉されず、自分の人生を子どもと生きていける」と話す選択的シングルマザーの女性も多いそう。

また、親や周囲の協力、保育園やシッターの活用などもありますが、経済的、精神的な自立が絶対に必要になってきます。専業主婦として子どもを育てるのとでは全く異なり、人間としての強さが求められるので、自ずとどんな場所でも生きていける女性へと鍛えられるでしょう。

●結婚、出産、子育てに“正解”はない

総務省の統計によると、2010年の日本におけるシングルマザーの数は約108万2000人と言われ、そのうち未婚シングルマザーは約13万2000人でした(死別:約8万人、離別:約87万人)。その中に選択的シングルマザーがどの程度いるかはわかっていませんが、今後は女性の社会進出に伴って社会の認知度も高まってくると見られています。

選択的シングルマザーには、精子提供や子育ての面以外にも、経済力の問題や、生まれてくる子どもに出自の説明をする問題などさまざまなハードルがあります。それでも女性が子どもを産めるタイムリミットは確実に限られており、また結婚や出産、子育てのやり方に正解はありません。

自分は本当に結婚がしたいのか、いつまでに子どもが欲しいのか、自立と責任を持って一人で子どもを育てていけるのか、といった疑問を自分自身に問いかけてみると、選択的シングルマザーという道も選択肢の一つになってくるのではないでしょうか。

(秋山悠紀)


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