【仕事と家庭の両立】家事を頑張りすぎると不健康に?


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イラスト:ミヤギユカリ

男女平等社会、スウェーデンの研究

男女平等の社会として知られるスウェーデン。就業率の男女差はわずか3%、17歳以下の子どもの父親の93%、母親の83%が仕事を持っている国です。今日は、そんなスウェーデンからのちょっと気になる研究について取り上げます。

夫と妻、家事の負担は…

小さい子どもを持ち、夫と同居している働く女性837人に対してアンケート調査が行われたのですが、「私のほうが夫よりずっと多く家事をしている」と答えた女性は全体の約3分の1。きっと日本であれば、ほとんどの女性が「私のほうがずっと多く家事をしている」と答えることでしょうね。でも、スウェーデンにあってさえ、多くの女性が家事や子育ての責任を負っていることがわかります。

そして、心配なことには、「私のほうがずっと多く家事をしている」という不平等感を感じていた女性は、夫のほうが家事をしてくれる女性や、夫婦で均等に分担できている女性たちに比べて不健康であることがわかりました。精神的なストレスや疲労感が高かったり、体の不調を訴える人が多かったのです。

女性の社会進出と健康

以前から、スウェーデンでは、女性のほうが「病気休暇」の取得率が高いと報告されています。

1980年以降、病気休暇取得率の男女差は拡大しており、2000年以降は女性が男性の1.8倍も取得しています。これは、子どもを看護するための休暇ではなく、あくまでも本人の病気による休暇です。女性活躍を推進する政策や制度が整い、女性が社会で求められる責任が増す一方、家庭内でも重い責任を負っており、女性に過剰な負担がかかっているためではないかと指摘されています。

女性の社会進出と健康には2つの理論があるそうです。

1.女性が社会とのつながりを持つことができ、人生を豊かにし、健康につながる
2.職場と家庭という2つの仕事を持つことで過重な負担につながり、健康を損なう

これまでの研究結果から、このどちらも正しいことが証明されています。

日本でも、女性はますます責任ある仕事を任されるようになるでしょう。しかし、依然として「外で仕事をしても家事もきっちりやらなければ」と思っている女性が多いように思いますし、それを期待している男性も多いのではないでしょうか。家事はもうひとつ別の大仕事です。くれぐれも私たちの健康を損なわないよう、正々堂々とパートナーに分担を求めていかなくてはいけないですね。

前田恵理先生
1979年生まれ。2004年東京大学医学部医学科卒業。都内の医療機関・行政機関勤務を経て、平成28年から秋田大学大学院医学系研究科「環境保健学講座」助教。カナダの家族形成に関する心理的支援ウェブサイト( MyFertilityChoices.com)の日本語版ウェブサイト( http://myfamilychoice.jp)を運営。
参考文献:

  • Eek F, Axmon A. Gender inequality at home is associated with poorer health for women. Scandinavian Journal of Public Health. 2015 Mar;43(2):176-82.
  • Molarius A, Granström F, Lindén-Boström M, Elo S. Domestic work and self-rated health among women and men aged 25–64 years: Results from a population-based survey in Sweden. Scandinavian Journal of Public Health. 2014 Feb;42(1):52-9.

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