労災保険や雇用保険が 追加給付される可能性が


医療

厚生労働省の統計問題

統計手法の違いがミスリードにつながることも。「毎月勤労統計」は、56種類ある政府の基幹統計の一つ。
仕事が原因で病気になったり、介護で仕事を休まざるを得なくなったときの保険給付額にも影響します ※写真はイメージ

仕事中や通勤中のケガ、育休などで給付金を受け取ったことはありませんか。2004年7月以降に労災保険を、同年8月以降に雇用保険を受給した人は、追加の支払いがあるかもしれません。厚生労働省の公表によれば、1人当たりの追加額は、平均1400円程度の見込みだそう。

ことの発端は、昨年末に発覚した同省の統計問題。失業保険や労災保険の給付額にも反映される「毎月勤労統計」が14年もの間、不適切に処理されていたことが明るみに。国民の給与が低く算出されていたことで、本来よりも労災保険や失業保険が安く支払われていたため、今まさにその後処理が行われています。

この調査は、500人以上の事業所に対しては、すべて実施するルールでした。しかし2004年から、都内約1400事業所のうち、3分の1のみが抽出されていました。3分の2も省略していたなんて手抜きだ、という批判もありますが、そもそも統計調査は全数調査が必須というものではありません。真の値を推定するために必要なサンプル数(無作為に選ぶ数)を計算することは可能ですし、どの程度の誤差があるかを示すこともできます。

医療分野の統計ではむしろ、無作為抽出の方が一般的なくらいです。例えば薬や治療法の効果を調べるとき、全人類に試すわけにはいかないからです。でももし、最初に計画していた統計手法と異なるやり方で解析したら、何か意図があると疑われても仕方ありません。

今回のニュースで気がかりなのは、汗を流して全数調査をしなかった点ではなく、統計手法を変える前に、なぜそのことを公開しなかった(できなかった)か、その事情です。あらかじめ、どのような定義で無作為抽出をし、どの程度の誤差が想定されるのかを明示しておけば、ここまで大事には至らなかったかもしれないのですから。

私たちへの影響

労災保険や雇用保険が
追加給付される可能性が

小川留奈さん
小川留奈さん
健康・医療ジャーナリスト。サンケイリビング新聞社を経てフリー。取材や執筆活動の傍ら、健康記事を効果的に発信する研究も。MPH(公衆衛生学修士)

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