切り絵作家 蒼山日菜さん(46歳)


ごひいき

切り絵作家
蒼山日菜さん(46歳)

作家の根源は“感受性”
感情を開いて生きる

横浜市出身。高校卒業後は着物の販売会社に勤務し、22歳で渡仏。2000年より、ディヴォンヌという街でハサミのみで作りあげるレースの切り絵を始める。オリジナリティーと究極の技にこだわる切り絵は、まるで生きているかのようなリアリティーとロマンチックな世界観を醸し出すのが特長。日本きりえ協会所属、スイス切り絵協会所属、パリ日本人アーティストクラブNAC所属、「TCHIYU ART GROUP」設立者

 あらゆる分野で技術革新が進む現代、アートの分野ではその対極にあるハンドメイドの力が改めて注目されています。そこで今回は、横浜市出身の世界的な切り絵作家・蒼山日菜さんを紹介。アトリエを訪ねて見た独創的な作風と世界観、素顔にフォーカスします。

持ち前の空想力と器用さが切り絵と出合う

 フランスで花開き、数々の受賞とともに「レース切り絵」として世界的に評価される蒼山日菜さんの切り絵。蝶(ちょう)や妖精、花や鳥といった自然界に存在するものをモチーフに、繊細なラインで醸し出されるそのファンタジックな世界は、感嘆とともに人を静かにさせる不思議な魅力があります。
 では、いつどのようにして蒼山さんは切り絵と出合ったのでしょう? 最初のきっかけは22歳のときに出かけた海外旅行。そこから人生は大きな変化をまとっていきます。
 「フランスで恋に落ち、しばらくは遠距離恋愛。でも『君の英語がよく分からないからこっちに来ない?』と言われて…。横浜で生まれ育ち、東京にも滅多に行かなかった私にとっては一大事でした。渡仏後ほどなくして子供が生まれ、フランス暮らしを満喫、といきたかったのですが、今度は人種の壁が越えられずどことなく生きづらい。そこでスイスのジュネーブに隣接するフェルネ・ヴォルテールという町に転居するのですが、そこはアルプス山脈とジュラ山脈に挟まれた大自然の懐。心根のやさしい人々にも囲まれ、その中のひとりの女性から当時日本人の奥様方の間でブームになっていた切り絵教室へのお誘いを受けたんです。モノクロの世界が斬新かつ新鮮で、それまで心の中でせき止めていたものが溢れ出るかのように無心に取り組みましたね。ありがたいことに母が編み物を教えていた関係で小さい頃から手先は器用でした。切り絵を始めてすぐに、デザイン画を自分で描きたいという衝動に突き動かされ、アート本を買ってきて独学で絵の勉強にも励みました」

心の中に“湧き出る泉”を持ち続けること

 運命的に出合った切り絵は、その5年後の2005年に、市の企画による個展や世界最古の展示会「ル・サロン・デ・アーティスト・フランセ」第216回の入選出展を通して蕾を開花させることに。飛躍の年となると同時に、作品が人々を勇気づけることを知る、記念すべき年となりました。
 現在は活動拠点を日本に移し、より多くの人が切り絵を体験できるようカルチャー教室を全国展開している蒼山さん。
 「この流れを滞らせないためにも、私は作家の根源である感受性を日々豊かにして大地を潤さなければなりません。来年にはボタニカルガーデンをテーマにした個展を横浜で開催する予定ですので楽しみにしていてください」
 こんこんと湧き出る泉。蒼山さんの進化は続きます。

(c)Disney

左・中:器に切り絵の施されたトレーシングペーパーをセットするペーパーランプキット
右:花と妖精柄がロマンチックなボタニカルランプキット(ライトは別売り)

ディズニーレースの世界

 蒼山さんの超絶技巧が、初心者から上級者まで幅広く楽しめると人気の書籍もあり。最新作は「ディズニー レース切り絵 ふしぎの国のアリス」(1620円・KADOKAWA)で、レース切り絵の基本やワンポイントレッスンなど、分かりやすい手順と解説により、独特の世界を体験できる構成。実際に切って楽しめる図案集付きです。切り絵は集中力アップにも効果的とか。あなたもトライしてみては

<蒼山さん流>
レース切り絵の世界へようこそ!
キットの販売ももうすぐです

 蒼山さんのレース切り絵は多くのファンが! 上の写真で、蒼山さんが持つテディベアも、イギリスの人気生地ブランド「リバティ」とコラボした生地を使って、ファンの人が手作りしたものをプレゼントしてくれたのだそう。また、カルチャー教室の枠を越える「チーム蒼山」というグループも生まれ、多彩なアイテムの開発が進行しています。手軽に作って楽しめるキットのネット販売も企画中。今回は、ひと足先にそれらの商品の一部を紹介してもらいました。

蒼山さんの切り絵を使い、
図案をカスタマイズできるオリジナル食器

切り絵のイロハを体験してみたい人は、スクールも開催中!横浜でも行われているので、ぜひチェックしてみて。

蒼山日菜・公式ホームページ
http://aoyamahina.com


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