割烹蒲焼 八十八 職人見習い 坂元千春さん(24歳)


ごひいき

割烹蒲焼 八十八 職人見習い
坂元千春さん(24歳)

うなぎ職人の技を吸収する
「ひたむき」が今の仕事

横浜生まれ、横浜育ち。町田調理師専門学校卒業後、「熊魚菴たん熊北店」に就職。結婚を機に退職。その後、「人形町今半本店」勤務を経て2016年7月から「割烹蒲焼 八十八 石川町店」勤務。うなぎ料理全般における最上のおいしさと完成度を目指して修業中。また、おもてなしを念頭に2年前から茶道・華道の稽古に加え、器の勉強も開始し、店開業に向けて充実した日々を送っている

 創業104年を誇る「割烹蒲焼 八十八」で紅一点、うなぎ職人の見習いとして修業中の坂元千春さん。扱うのは、生きたうなぎ。寒さがぐっと増すこの季節にあえて“うなぎ”にスポットを当てる理由とともに、彼女が歩むまっすぐな道と秘めた情熱を紹介します。

男性社会という逆境に育てられた「根性」

 訪ねたのは、今年5月に石川町駅徒歩1分のアイキャナルストリートの中に移転オープンした「割烹蒲焼 八十八(やそはち)」の石川町店。坂元千春さんは、そこですご腕のうなぎ職人・平山純さんの指導を受けながら日々腕を磨いています。
 坂元さんが和食の板前を志したのは、17歳のとき。その理由はほっこりと温かいものでした。
 「うちは両親が共働きで小さい頃から祖父母が私の面倒を見てくれていました。中学卒業後に町田調理師専門学校に進学して和・洋・中、製菓・製パンと料理全般を学び、専門を何にするか考えた時に浮かんだのが、祖父母の顔。おじいちゃん、おばあちゃんにおいしく食べてもらえるよう和食を選びました」
 最初に勤めたのは京料理の老舗。素直な思いで飛び込んだ和食の道でしたが、そこは想像以上に厳しい男性社会だったと坂元さんは言います。
 「今でこそ徒弟制度も寛容になったと聞きますが、当時は“板場は男性の独壇場”というのが慣習としてあり、あらゆる面で男性が優先されるといった悔しい思いを味わいました。根性がないと続けられない世界。おかげで相当の負けず嫌いになりましたね(笑)」

人の縁に恵まれ、板前根性に火がついた

 一途な姿勢は人と人の縁を結びます。坂元さんは20歳のときに先輩の和食職人と結婚、その後子供を授かり、“夫婦で店を持つ”という新しい夢を歩き始めます。
 まずは肉の扱い方を習得するために「人形町今半」に勤め、並行して週2回、朝の空いた時間を活用してうなぎの扱い方を勉強。そのステージを提供してくれたのが現在勤務中の「八十八」。厳しい男性社会でありながら、一方で板前同士のつながりも深いがゆえに実現した良縁でした。
 「川の神様といわれるうなぎには前々から興味がありました。見て覚える、は鉄則ですが、分からないことは心を開いて質問できる環境がここにはあります。親方の一流の技、その奥義を知るほどにもっともっと勉強したくなって。5年後ぐらいを目処に考えていたお店の開業もいい意味で二の次。今はひたむきな作業を楽しんでやっています」
 “料理は心”なのでしょうか。祖父母への感謝から発した夢が多くの出会いによって膨らみを増しています。

写真は同店の人気メニュー「さんぞろ鰻丼」4298円

<坂元さん流>
今が旬のうなぎを 余すところなく味わって!

 良質なたんぱく質とビタミン類を多く含み、優れたバランス栄養食として有名なうなぎ。夏の土用の丑(うし)の日に食べるのが習わしですが、実のところ、うなぎの旬は、初冬。それは、水温の下がりはじめた頃、産卵のために回遊する準備として体内に栄養を蓄積して、より一層味がよくなるからなのだとか。
 「八十八 石川町店」では、忘新年会シーズンに向けて、そんな栄養たっぷりのうなぎを余すところなく味わいつくす特別メニューを用意しています。坂元さんは仕込みのほか、デザートのレシピも考案。お友達を誘って出かけてみて。

「うなぎづくしコース」
内容:うなぎ煮凝り・骨せんべい、うざく、うなぎ肝セット(兜、ひれ、肝焼き)、う巻、白焼き、お重、香の物、お吸い物、デザート
コース料金:1人9504円 ※個室貸切の場合、別途サービス料10% がかかります。2日前までに要予約。提供期間については直接お店に問い合わせを(下記参照)

料亭の風情もごちそうに!

 「八十八」の歴史は古く、明治43年に現在の伊勢佐木町裏に先々代がはじめた蒲焼店に端を発します。その後、料亭として吉田町店がオープン。そのため一流のうなぎ料理とともに、長年にわたり継承されてきた料亭の名残りを設えや器などを通して味わえるのが魅力です。気軽にリーズナブルにうなぎ料理を堪能したいなら、モダンテイストの石川町店がおすすめ。詳しくはホームページをチェックしてね。

割烹蒲焼 八十八
石川町店/横浜市中区石川町1-10 TEL 045-641-4788
吉田町店/横浜市中区吉田町10、都南ビル1階 TEL 045-261-8088
町田店/東京都町田市原町田4-6-11、櫻粋館1階 TEL 042-710-3388
http://www.yokohamayasohachi.com


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