ステッチコミュニケーション 刺しゅうマシンエンジニア 人見愛子さん(34歳)


ごひいき

人見愛子 さん

ステッチコミュニケーション
刺しゅうマシンエンジニア 人見愛子さん(34歳)

生きる意味を知った
すばらしき作品の紡ぎ手

大学卒業後、和装小物店や刺しゅう専門工場勤務を経て、海外の有名ブランドも手掛ける刺しゅう機メーカー「タジマ」の代理店で、セールスエンジニアとして活躍する。2015年に独立し、「ステッチコミュニケーション」を設立。現在は「FabLab β Bashamichi」を横浜の拠点に、刺しゅうデータ作成、機械刺しゅうに関するアドバイザー、文化学園大学の講師として活動中

 “刺しゅう”にはどんなイメージがありますか? 今回登場してくれるのは、糸はもちろん、ドライバーなどの工具をたずさえ、美しい世界をつくり上げていく刺しゅうマシンの女性エンジニア。クリエーターの顔も持つ彼女の、未知の世界をのぞいてみましょう。

刺しゅうとクリエーターとの懸け橋に

 企業やクリエーターからのオーダーを受け、刺しゅう作品として商品化。複数のアパレル産業を渡り歩いた経験と実績から、今では“刺しゅうマイスター”とまで呼ばれるようになった人見愛子さん。
 「刺しゅうって結構、理論的に組み立てていく作業なんです。理論の上に成り立つ美しさというか。大学で学んだ日本画とも通じるところがあり、感性だけではない理屈や理論的な部分が、私の性にとても合っていたのだと思います」
 制作の拠点としている「FabLab β Bashamichi(ファブラボ ベータ 馬車道)」には、業務用ミシンや縫製用ミシン、昇華プリンター、工業用のレーザーカッターや3Dプリンターなど日常では目にしないプロ仕様のマシンがずらり。なかでも刺しゅうのトップメーカー「タジマ」の刺しゅう機は、世界100カ国以上で使用されている優れものだそう。
 「縫製の精密さはさすが日本製ですね。私の作成したデータ通りにマシンが縫い上げるので、たまにデータをミスすると、“わーっ、止まって!”状態になることもあります(笑)」

自分の可能性を決めてしまいたくない
“拾った命”を今、思いっきり生きています

 人見さんの仕事内容は多岐にわたり、明確な肩書きを求めらると返事に窮することもあるのだとか。
 「でも自分の肩書きを決めてしまうと、それ以上の発展が望めませんよね。だからそこは取り払った私でいたい。機械もアートもファッションも、すべて含んだ場所にいないと人の役に立たないと思うので」
 ふんわりとした癒やし系ビジュアルの中身は、持論をしっかり持った芯の強い女性…そんな印象を受けました。すると「ずっと刹那的に生きてきたので」とケラケラ笑います。
 「生まれつきの心臓病でした。毎日発作におびえ、将来も普通に働けるのかなぁって。それが医療の進歩で、社会に出る前の手術で完治! 自分も家族もびっくりですよ(笑)。普通に働けるのがうれしい。一人で行動できるのがうれしい。今は“拾った命”を生きるのが楽しくて幸せで!」
 自ら繋いだ命が、今度は糸で作品を紡ぎ、クライアントを喜ばせる。この仕事へとたどり着いたのは、人見さんにとって必然。そう思わざるを得ない美しい笑顔でした。

《人見さん流》
横浜らしいコラボ作品

 2月に誕生したばかりの「刺繍ラペルピン」(864円)は、横浜グッズでおなじみ「エクスポート」とのコラボレーション作品。金属ピンバッチとして販売されていた「海上での船同士の交信に使う信号旗・シグナルフラッグ」のデザインが、刺しゅうとして生まれ変わりました。100色以上から選ばれた糸で、枠線の色パターンや縫い方のパターンを調整。時間をかけて作り上げたかわいい一品です。普段のオシャレとして楽しめそう。

業務用の機材があるようには見えない、おしゃれなスペース!

ものづくりを通じて豊かな生活を
毎週木曜、無料開放中!

 人見さんが横浜の拠点としている「FabLab β Bashamichi」は、馬車道近くの「YCCヨコハマ創造都市センター」3階にあります。
 業務用ミシンや縫製用ミシン、昇華プリンターといった柔らかい素材へのアプローチに力を入れ、親子でも楽しめるものづくりスペースとして、2015年6月にスタート。
 現在は毎週木曜の午前11時~午後5時に「オープンラボ」として一般開放。利用者の制作をサポートするスタッフが常駐し、見学はもちろん、各種機材の講習や、自由にものづくりが楽しめる場として利用されています。自由な発想で、ものづくりの楽しさを体験してみては。イベントなどの予定はHPで。

「FabLab β Bashamichi」
TEL 070-6554-4595
アクセス みなとみらい線「馬車道」駅1b出口すぐ(野毛・桜木町口アイランドタワー連絡口直結)
E-maii:bet@fablabbashamichi.org
http://beta.fablabbashamichi.org/


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