物語のあるチャレンジ企業


時代と共に変わり続ける―

物語のある
チャレンジ企業

時代は変化しても、根本の思いは変わらず、歴史を重ねる。ものづくりが盛んな東海エリアには、古き良き“かっこいい企業”がたくさんあります。そんな企業が秘めた物語を探ってみました。

変化を楽しんで働くために

1日約3分の1の時間は働いている私たち。どうせなら、仕事を充実させてキラキラ輝きたいですよね。自分なりの“かっこいい働き方”について考えてみませんか?
今回取材した歴史のある企業には、創業からいろんな挑戦をしてきた物語があり、中心にいるのはいつも前向きに働く人たちです。きっとその姿勢は、シティ読者にとっても働き方のヒントになるはず。
仕事でさまざまな壁にぶつかることは当たり前。どんなときでも現状を打破する力が必要ですよね。“かっこいい企業”が挑戦して輝いているパワーを受け取って、これから先、環境の変化を楽しみながら仕事に取り組んで。

当たり前の中にヒントがある

萬乗醸造 創業正保4年(1647年)/緑区

酒蔵を案内してくれたのは、入社8年目の蓬田佳旺(よもぎだかお)さん。入社のきっかけは、社長・久野九平治さんの仕事への取り組み方がかっこよくて、ひかれたから。
萬乗醸造の大きな変化は日本酒「醸し人九平次」の誕生でした。「20年前、日本酒造りを見つめなおし、“本当に自分たちが造っているお酒はおいしいのか”と造り方を一から変えていきました。原料の米を洗うのは手作業に戻すなどして、ナチュラルでフレッシュに仕上がったのが『醸し人九平次』です。社長がよく口にする言葉は、“outlier(アウトライヤー)”。概念にとらわれるなという意味が込められていて、私もそれを意識して仕事に取り組んでいます」。
7年前には保湿ジェルの販売を開始。開発に携わった蓬田さんは、「先輩の女性が、お酒を肌に塗って保湿していたのがきっかけ。社長に商品化を持ち掛けたところ二つ返事で販売に向けて動き出しました」。目下挑戦中なのがワイン造りで、現在販売に向けてフランス・ブルゴーニュ地方のモレ・サン・ドニで仕込み中。完成に期待が高まりますね。

働き方のヒント

仕事が煮詰まってきたら、当たり前と思っている作業を一から見直して行動を。改革や新しいことをする充実感は、リフレッシュにもつながるはず。

8年前、兵庫県で田んぼを取得し自分たちで酒米を作り始めました

ブリュアリスト(醸し人)として奮闘中の蓬田佳旺さん

ボタニカルな香りの「九平次オールインワン保湿ジェル」3240円/80g

「醸し人九平次 純米大吟醸 山田錦 EAU DU DESIR
(希望の水)」4198円/1.8L、
2095円/720ml

人の手に渡るその先を考えて

古川紙工 創業天保6年(1835年)/岐阜県美濃市

明治時代から美濃では、蚕を使った生糸の生産が盛んでした。製造過程に使われる、産卵台紙を作っていたのが古川紙工。時代は移り第二次世界大戦へ。これまでのノウハウを生かし、軍などで使われていた謄写版原紙(右記写真)(下記写真)の製造に着目。軍の指定工場となったことから、紙業界へ進出することに。その後も変化を繰り返し、学納用品から書道用品、和紙雑貨を製造販売するようになりました。
「和紙雑貨ブランド『Wa-Life』は、手描きイラストを使うなど、受け取る人の心が和みほっこりする“なごみ文具”を目指しています。より暮らしに寄り添ったデザインに育てていきたい」と企画デザイン部の石原聡美さん。ミーティングでは単に流行りやデザイン性だけでなく、使う人のシーンを考えてデザインを提案しているそう。
今最も力を入れているのは、美濃和紙による付箋の開発。柔らかい手触りや、高級感をもった和紙の風合いが魅力的な商品は、相手との距離を縮めるコミュニケーションツールとして活躍しそう。紙の可能性を生かしたものづくりが若い世代にも引き継がれています。

働き方のヒント

物や言葉を受け取る人の気持ちや、シーンを考えた心遣いはコミュニケーションだけでなく、仕事のさまざまな場で応用して。

企画デザインチームのミーティングの様子

心がほっとするような手書き風のイラストがかわいい「Wa-Life」の便箋

メモや手紙にも使えそうな折り紙も販売しています

謄写版原紙に文字を書き、インクをつけたローラーで圧することで印刷します

経験を糧に伝統を未来へ

山勝染工 創業大正8年(1919年)/西区

大正8年から受け継がれてきた技術“名古屋黒紋付染”で、反物を作り続けている山勝染工。兄弟経営で社員は16人。着物を着る機会が減った現代、伝統産業をどう残していくかが課題で、弟の友亮さんは職人として、兄の剛大さんは経営側に立ち、未来への道を模索しています。
2014年4月から伝統の技術を生かし、ライフスタイルに寄り添った提案をスタート。新ブランド「中村商店」を立ち上げ、ストールやTシャツ、バッグを染めて販売します。色あせた黒い服の染め直し、オリジナルの服を作るために生地を染めてリメークするサービスも。
「2016年9月、海外展開を考えてアメリカへ行ったときに感じたのは、歴史ある方法で丁寧に染める“名古屋黒紋付染”は“本物”と認識してもらえたこと。ですが思いだけではやっていけないのを痛感しました。経験を糧に着実に挑戦を重ねて“新しい形の伝統工芸品”を世界中の人に広めたい。それをきっかけに日本の民族衣装である着物を着ることや、昔ながらの手ぬぐいを使う文化に触れてほしいですね」と剛大さん。世界を視野に挑戦が続きます。

働き方のヒント

初めての挑戦には失敗がつきもの。1つの挑戦でたくさんのことに気づき、いつか思いを形にできるように。

左から四代目代表・中村友亮さん、中村剛大さん

着物と同じようにストールも染めています

日本の伝統的工芸品に指定されている“名古屋黒紋付染”

にほんいろストールは、月ごとに異なる色のバリエーションがおしゃれ!

50年間愛され続けるために

大島食品工業 創業昭和29年(1954年)/守山区

今年で50周年を迎えた大島食品工業の「ミルメーク」。コーヒー味やイチゴ味などの粉末を牛乳に混ぜて飲む、栄養を補助する牛乳調味食品です。全国の学校へ出荷され、地域や年代を超えて愛される懐かしの味。
もとは医薬品の製造をしていて、食品を手がけるようになったのは、健康食品がはじまり。「ミルメーク」の誕生は、1967年ごろ、学校給食の脱脂粉乳が牛乳へと変わるタイミングです。切り替えにあたり、“足りなくなる栄養を補えないか”という学校側からの要望に、改良を重ねて作られました。
「その後にも、衛生面から牛乳瓶が三角パックに変わった際に、粉状ではなく液体状のチューブになりました。子どもたちの健康のために変化しながらあり続けています」と話すのは常務取締役・営業本部長の中根勇さん。“味はそのままに”とこだわりながら、柔軟に要望に応え続けています。驚きなのは本社が名古屋市にありながら、名古屋市内の学校には「ミルメーク」が出ていないということ。会社で懐かしい学校給食を話題にして、同僚に知っているか聞いてみて。

働き方のヒント

 誰にでも誠実に向き合い、柔軟な対応を。頼られ・任される存在になれるはず。

定番のコーヒーやイチゴのほか、メロンやキャラメル、紅茶、抹茶きなこなど現在は10種類に

ゼリーのほかに、プリンや杏仁豆腐の素も生産しています

総務部や開発部で女性社員も活躍します

まさに誠実な人柄が印象的だった中根さん


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