笑った人も笑われた人も40代。「保毛尾田保毛男」復活劇に思うこと


ちょっとオネエ目線

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昼はプランナーとして働く、自称OL(おっさんレディ)のT子の連載コラムです。
みなさんは先週、とんねるずの石橋貴明さん扮する「保毛尾田保毛男」問題が勃発したのを知っていますか? ざっくり言うと、ホモをネタとしたキャラクター「保毛尾田保毛男」が復活してLGBTから批判が殺到した話なんだけど、様子を見ていたらLGBTの中でも賛否両論。炎上騒動となったこの復活劇を勝手に考えてみました。

「保毛尾田保毛男」は何がいけなかったのか?

まず、「保毛尾田保毛男」復活への批判的なコメントとしては、「“ホモ”という同性愛者への蔑称のキャラクターの起用が時代錯誤」、「自分もそう呼ばれた苦い経験を今の時代の子ども達にはさせたくない」といったところ。

確かに当時小学生で男らしくもなかった僕(ここはあえてアタシではなく)も「保毛尾田保毛男」と言われて嫌な気持ちになったことを思い出します。こういったキャラクターがテレビで放送されることで、いじめのきっかけになるということは否定できません。

とはいえ、「保毛尾田保毛男」がもしイケメンだったり女子からも好かれるキャラだったら、そんな問題にはならなかった気がします。原因はあのヘアスタイルや青ひげ、クネクネした仕草や言動といった“キモい”イメージだからですよね。

40代の心に残る「苦い思い出」と「懐かしい面白さ」

ちなみに、今回批判の中心となったLGBT当事者も番組を制作した人のどちらも40代くらいの年齢だと思います。「保毛尾田保毛男」で笑った人、笑われた人それぞれが大人になった今、ぶつかってしまったのです。

実はゲイの中には、「自分は今回の番組を見て笑ったし、面白かったのにな」とか、「何でも差別だと批判するのではなく、お笑いの表現の自由も尊重すべき」という意見もありました。制作者側のLGBTへの配慮は足りなかったにせよ、あの頃のバカらしいキャラクターやお笑いが「懐かしい」という郷愁も残ります。

今ではできないとんでもないことをやっていて面白かったのも過去の時代。今はお笑いもいろんな制約の中でやらないといけないのも少しかわいそうな気がします。

LGBTではなく、本質は子どものいじめでは?

今回の件、アタシ的にはとても複雑な心境。自分も「保毛尾田保毛男」で嫌な思いしたことあるし、ネットニュースで「保毛尾田保毛男」復活と知って“あー懐かしい”とも思いました。

社会的に良い悪いはいったん置いといて、LGBT差別よりも子どものいじめが問題の本質ですよね。「保毛尾田保毛男」を見ても、さすがに物事の分別ついた大人は会社でゲイの同僚を差別するようなことはないと思います。その点で子どもはある意味“残酷”ですから、笑いと思えばまねて簡単に人を傷つけてしまいます。「このハゲー!」だって子どもは普通に使っていますが、それなりの立場の人が使ってしまったから問題なわけで。

今回の件も、そのキャラクターを生み出したとんねるずの石橋貴明さんではなく、メディアの社会的影響に対する責任が追及されています。

「保毛尾田保毛男」世代の女性たちへ

今の「保毛尾田保毛男」世代の女性の子どもは多感な時期ではないでしょうか?

「Prayers For Bobby」という実話をもとにしたテレビ映画ではゲイの男の子が自殺してしまうのですが、それは敬虔なクリスチャン一家の母親がゲイである息子を受け入れられなかったことが原因でした。仮に今回の番組を見ていじめられてしまう子がいたとして、その子が実際にLGBTであってもそうでなくても母親は子どもにとって大切な存在だと思います。たとえ学校でいじめがあったとしても母親の力があればどうにかできる気もします。

いろいろな人がいる社会を変えることは難しいですが、身近な理解が増えるといいですよね。

T子さん 写真

T子

新宿2丁目のドラァグクィーンやお店のママから、各界のスペシャリストや芸能人までさまざまな人脈を持ち、シティリビングにてインタビューコラム「おネエno部屋」を3年間にわたり連載。恋愛、美容、仕事、人生など、さまざまなOLの悩みに答えてきた。昼の姿はプランナーとして、PR会社に勤務する普通のOL(おっさんレディ)。最近の趣味はグルメとインテリア、そして愛犬のジジと遊ぶこと。
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