齊藤先生に聞く!【33】子宮卵管造影検査の重要性


妊娠率が高まる検査がある!? 子宮卵管造影検査について

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。
今回は、不妊初期検査でとても重要な子宮卵管造影検査についてお話しましょう。

子宮卵管造影検査とは、どんな検査?

子宮卵管造影検査は月経終了から排卵までの卵胞期に行われます。造影剤を子宮に注入し、胚の着床部位である子宮の内腔の形と精子・卵子の通り道、かつ受精の場所である卵管の通過性について調べます。

その際にX線を用いますが、X線は受精した胚や妊娠初期の胎芽に悪影響を及ぼすので、基本的には、排卵後は検査しません。ですが排卵期に確実に避妊し、100%妊娠が否定されているなら、排卵後の黄体期にも撮影することがあります。

なお、造影剤が卵管の端(卵管采)から腹腔内に出ると卵管周囲に拡散し、その広がる様子によって卵管周囲に癒着があるか、ないかも評価します。

造影剤には、油性と水性があります。油性の造影剤は拡散がゆっくりなので、拡散を見るためのX線撮影は翌日以降になります。水性は拡散が早いので、卵管から腹腔内に出たのを確認後、10~30分ぐらいで撮影します。

子宮卵管造影検査後、妊娠にいたる症例が多数あります

子宮卵管造影検査の後、妊娠に至る症例が数多くあるため、不妊検査で大切な検査と言われます。

その理由としては、造影剤が卵管を通過することにより、卵管をきれいにするという推測があります(明らかな証拠はありませんが、可能性はあります)。

また、造影剤はヨウ素を含んでいるため、甲状腺機能に作用し、妊娠にも影響している可能性があります。

妊娠しやすいのは水性? 油性?

水性と油性の造影剤では、どちらのほうが子宮卵管造影検査後、妊娠しやすいと思いますか? この結果は二転三転しています。

以前のデータでは、油性造影剤の方が撮影後妊娠率が高いとありました。しかしその後、水性も油性も違いがないと言われるようになりました。今年になって再び油性の方が撮影後の妊娠率は高いという論文が出ました。

このことから甲状腺機能に問題がなく、時間に余裕があり、X線撮影が翌日以降で構わないという方は、積極的に油性造影剤を使用するほうがよいと思います。時間がなく、1日で検査を終了したければ、X線撮影が10~30分後の水性造影剤を用いて検査をしてください。

子宮卵管造影検査は、不妊検査の中では一番痛い検査と言われていますが、それほど痛がらない方もたくさんいます。どちらの造影剤を用いたとしても、検査をしないよりも検査をしたほうが妊娠率は高まりますので、不妊かなと疑ったら、子宮卵管造影検査をぜひ受けてくださいね。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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