齊藤先生に聞く!【31】卵子の数を推測できる、重要なホルモン


改めて知っておきたい、
AMH

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。ここ最近、不妊検査の際に測定されるホルモンについてお話ししています。そこで今回は以前もお伝えしたことのあるAMH(アンチミューラリアンホルモン)について、改めて注目しましょう。

個人差が大きいAMH値

第2回で“妊娠しやすさ”をはかる目安についてお話ししたときに、AMHを知ることはライフプランを立てる上で非常に重要である、とお伝えしました(第2回 “妊娠しやすさ”をはかる目安とは?)。

AMHは、不妊検査の中でもとても重要なホルモンです。そこで、今回もう一度詳しくお話ししますね。

AMHは年齢とともに低下しますが、月経周期の中ではさほど変化しないので、月経周期のどの時期に測定されても大丈夫です。測定にあたっては、ほかのホルモン検査とは異なり保険が適用されませんので、少々コストがかかります(およそ数千円程度)。

AMHは卵子の数をある程度推測できるホルモンです。

なお以前、AMHの平均値自体は年齢が若いと高く、高齢になると低値になるものの、実際のところはばらつきがあり、個人差が大きいとお伝えしました。ですから人によって、若かったり高齢だったりといった年齢に関わらず、卵子の数が多かったり、少なかったりします。

妊娠には、卵子の数だけでなく卵子の質が大きく影響します

AMHを測定した結果、「AMH値が低いと妊娠しにくいの?」と心配になって質問されることがよくあります。

実際には値が低いというだけで妊娠しにくいわけではありません。妊娠は卵子の数ばかりでなく、卵子の質が大きく影響します。卵子の数が少なくても、質が良ければ比較的簡単に妊娠します。逆に、卵子の数が多くても質が悪ければなかなか妊娠しません。とはいえ、卵子の数が少ないときは早期に月経が乱れやすくなり、排卵しなくなる可能性もでてきます。

将来、妊娠・出産を考えているのであれば、ライフプランを立てるにあたり、早めに妊娠・出産を計画したほうがよいことになります。

AMH値が高い場合は一応安心ですが、急速に下がらないとも言えません。AMH値が低い方ほどあせる必要はありませんが、しっかりとプランを立てておくことは大切です。もし5年以上先に、妊娠・出産プランがあるのだとしたら、おおよそ3年後ぐらいにはAMHを再測定し、値の下がる程度がゆっくりか、急速であるかを確かめることは良いことでしょう。

また年齢は高くても、若い年齢の方の平均と同じぐらいのAMH値の場合、卵子の数に関しては安心と言えるでしょう。ですが、質は年齢相応と考えておくほうが良いのです。ですから将来、妊娠・出産を考えているのであれば、やはり早期に妊娠・出産を計画されたほうが無難です。

いろいろなことが分かるAMH検査

AMH値が高すぎる場合はやはり、心配です。AMH値がとても高く、月経が乱れている場合は、多嚢胞性卵巣症候群のことがよくあります。この病気は卵子がたくさんあるのに排卵しにくいことが特徴です。その場合にはいろいろな治療法があるので、医師に相談されると良いでしょう。

AMHを測定することにより、いろいろなことが分かります。

自費の検査になりますが、不妊症で悩まれているときはぜひ測定してもらい、自分の体の状態をより正確に評価してもらってくださいね。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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