齊藤先生に聞く!【30】エストラジオール、プロゲステロンについて


卵巣から分泌される
女性ホルモンに注目しよう

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。今回は2つの女性ホルモン、エストラジオールとプロゲステロンについてお話ししましょう。

エストラジオールとプロゲステロンとは

女性のココロとカラダにさまざまな影響を与える女性ホルモン。

エストラジオール、プロゲステロンというのは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、いずれも女性ホルモンの一種です。卵巣から卵胞(卵子が入っている袋)が発育するにつれて分泌されるのが、エストラジオールです。排卵後に卵胞は黄体に変化しますが、この黄体から分泌されるのがプロゲステロンです。

ですから、これらのホルモンを測定することで、卵胞が発育しているか、排卵後の黄体はよく働いているかがわかります。

エストラジオールとプロゲステロンの働きって?

卵胞が発育すると、卵胞内で卵子を囲んでいる顆粒膜細胞が増えます。

顆粒膜細胞からエストラジオールが産生され、分泌されます(その際、下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン〈FSH〉や黄体化ホルモン〈LH〉の作用を受けます)。エストラジオールは、胚(受精卵)が子宮に着床しやすくするために、子宮内膜を発育させます。また、子宮頸管(子宮の入り口)の粘液を増やし、膣に射精された精子が膣から子宮に移動しやすくします。

卵胞が十分発育すると、LHが急上昇(LHサージ)し、排卵を促します。排卵後、卵胞に含まれる顆粒膜細胞は、黄体細胞に変化し、エストラジオールのほかにプロゲステロンを分泌し始めます。

プロゲステロンは、エストラジオールで発育した子宮内膜を着床しやすいように変化させ、胚が子宮内に到達するのを待ちます。通常は1個の卵胞が発育し、それに伴い、十分なエストラジオール、プロゲステロンが産生され、うまくいけば妊娠にこぎつけます。

しかし、不妊症の方の中には、きちんと卵胞発育、排卵があるのになかなか妊娠しない方がいます。子宮卵管造影検査、精液検査などでも異常がないときには、排卵がある場合でも、排卵をもう少し強めるために、排卵誘発の薬を使うことがあります。

理由は2つあります。第一の理由は、排卵する卵子の数を増やすことです。排卵する卵子が1つよりも、2つの方が妊娠する可能性は高まります。第二の理由は、発育し排卵する卵子の数が増えることで、これらの卵胞、黄体から分泌されるエストラジオール、プロゲステロンの値が増えることです。値が増えることで、これらのホルモンが作用する子宮内膜や子宮頸管の反応がよくなり、妊娠しやすい環境が作られる可能性があるからです。

「いろいろな要因がすべてうまくいく」ことで妊娠が成立します

不妊症の場合は、通常だとうまくいっているこれらの環境が、少しずれていることがあります。
そこでこれらのホルモンも測定し、原因を探すことがあります。

妊娠は、「いろいろな要因がすべてうまくいってこそ成立する」ことを知ってくださいね。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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