齊藤先生に聞く!【27】FSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)について


知っておきたい、
ホルモン検査から分かること

こんにちは。産婦人科医の齊藤英和です。今回は、不妊症検査の一つ、ホルモン検査について説明しますね。

FSH、LHって?

不妊治療に際し体の状況を調べる検査の一つに、採血して血液中のホルモン濃度を測定する、ホルモン検査があります。そのホルモンにもいろいろ種類があるのですが、今回はFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)についてお話しましょう。

FSHは、その名前の通り卵胞の発育を刺激するホルモンです。また、卵胞発育にはLHも重要です。

FSH、LHは、脳の下部に小さく突出した部分である下垂体で作られ、血中に分泌されます。そしてこれらのホルモンは血液の流れに乗って卵巣に到達し、作用します。

測定してみるといつもほぼ同じ値ではなく、少しずつ変動しています。また、排卵のころ大きく変化します。これらの変化は卵巣にある卵胞(卵子を入れている袋)の発育や排卵に重要です。

FSH、LHと月経の関係

なお、月1回のホルモン値測定が保険でカバーされており、FSHやLHを測定するのは、月経開始3~5日目です。

測定値を聞いてもピンとこないとは思いますが、3~7mIU/mlぐらいが正常値とされています。自分の測定値がこれよりも高値や低値であっても、月経がきちんと周期的にきている人もいます。

ですので、月経の状態と合わせてこれらの数値を考え、治療を加えるか、もう少し自然に様子を見るか決めます。

FSHやLHの値が高くて、月経周期が少し長かったり短かったりする場合、または月経が90日以上もないという場合には、すぐに治療を加えます。また、逆にFSHやLHの値が低く、月経が前述同様に乱れている場合も、別の注射や飲み薬で治療します。

ホルモンと排卵日の関係

排卵時期近くにもこれらのホルモンを測定すると、卵胞の発育具合や排卵のタイミングがわかります。

特にLHは排卵を刺激するホルモンですので、この値の上昇から、排卵を予測できます。血液で測定して高くなっていると、その日か翌日あたりが排卵日です。

さまざまな研究・臨床が行われています

なお、不妊治療で行うことはありませんが、研究として、1時間ごとぐらいに採血して測定すると、LHの上昇開始を見つけることができます。この上昇開始から36~48時間に排卵があります。不妊症治療の一つ、体外受精では、この現象を用いて採卵の時刻を決めています。

血液での測定は正確ですが、病院に来なければなりません。また、臨床においては何回も測定できないので、簡易な方法で何回も測ることができる、尿を用いた排卵検査薬を用いた方法があります。これは下垂体から分泌されたLHが卵巣で卵胞の排卵を促し、その後腎臓から尿中に排出されることを利用して、尿中のLHを測ることによって排卵を予測します。

ホルモン値を知って、体の状態を把握しましょう

FSHやLHなどのホルモンを測定することによって、自分の体の状態を把握することができます。
治療にも役立ちますので、気になる人は早めに受診してくださいね。

PROFILE齊藤英和先生

1953年東京生まれ。国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター不妊治療科。日本産科婦人科学会・倫理委員会・登録調査小委員会委員長。専門分野は生殖医学、特に不妊症学、生殖内分泌学。内閣府「新たな少子化対策大綱策定のための検討会」委員


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