弁護士が教える“不倫の代償”リアルな慰謝料の相場 


不倫をした場合、相手の奥さんからどのくらいの慰謝料を請求されるの? タレントのベッキーさんや桂文枝師匠、元衆議院議員の宮崎謙介氏に乙武洋匠氏など、著名人の不倫報道が絶えない昨今。そこで今回はシティWeb読者のアンケート結果とともに、不倫による金銭事情をアディーレ法律事務所の正木裕美弁護士(愛知県弁護士会所属)に詳しく聞いてみました。

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●意外と多くの女性が経験アリ…不倫は「絶対にダメなもの」ではなくなりつつある!?

シティリビングWebにて“不倫・浮気”事情に関するアンケートを行ったところ、「不倫・浮気をしたことがある」と回答した既婚女性は34%、そして独身女性はなんと52%! 独身女性は不倫をしたことがある人の方が多いという衝撃的な結果でした。

さらに「不倫・浮気って正直、どう思う?」という質問に対して、「好きになったらしょうがないと思う」と答えた独身女性は37%、既婚女性は30%。女性全体の約3人に1人は、不倫容認派だということがわかりました。一方で「絶対に許せない」と答えた既婚女性は39%と高めだったのに対して、独身女性は18%とかなりの少数派。許されない恋だとしても、本人同士が納得しているなら不倫に身を投じても仕方ないと捉えている独身女性は多いようです。

アンケートの結果、不倫に対する抵抗感は、独身と既婚で差があるものの、多くの若い女性にとって、不倫という世界が、以前よりもハードルが低くなっていることが伺えます。しかし、不倫で忘れてはいけないのは、自分や相手の家族、周囲の人間を悲しませることはもちろん、さまざまなリスクがつきまとうこと。それでは、不倫がバレた場合、法的、金銭的な問題として、何が発生するのでしょうか。

※アンケートはシティリビングWebで実施(2015年6月10日~23日/有効回答数422)

●不倫をした人への法的罰則はあるのか? 法的な不倫の境界線は?

――まず自分の不倫がバレた場合、法的にはどのような罰を受けるのでしょうか?

「肉体関係を持つ、手をつなぐ、2人だけで食事に行くなど、不倫の境界線は人それぞれですが、法律上問題になる不倫は「不貞行為」と呼ばれ、原則として既婚者が自由意思で配偶者以外の異性と肉体関係を持つこととされています。既婚者と知って、もしくは知り得たのに関係を持ったのなら、お互い割り切った遊びでも、本気の恋でも、不貞行為は不貞行為になります。

不貞行為は犯罪ではないので、刑罰を受けることはないですが、法律上、相手の妻が有する婚姻生活の平穏を維持する権利を侵害する不法行為になり、彼とともに奥さんに慰謝料を払う義務を負うという、経済的な代償があります。不貞行為が原因で離婚になってしまうと、離婚しない場合と比べて慰謝料も高額になる傾向があります。ただし、彼が既婚者であっても、別居後相当期間経っていて実質的に夫婦としての実態がない等、不貞行為前から夫婦関係が破綻している場合には、妻の保護すべき権利はないため、不法行為にならず、慰謝料を支払う義務は負いません。

もっとも、女性に対して「妻とはうまくいっていない、離婚する予定だ」と言っていたけれど、実は嘘だった…というケースも多いのが実情です。女性が注意していても、相手が既婚であることや夫婦関係が破綻していないことに気づきようがなかったとすれば、女性に過失がないとされ慰謝料の支払義務を負いません。しかし、彼の言葉を信じていても、土日に会えない、家に行くことは断固拒否など、不自然に思う出来事があれば、話は別です。彼の言動を客観的に見極めるのが大切でしょう。」

(正木裕美弁護士、以下同)

●メールよりも領収書や写真がポイントに! 小さな証拠を積み重ねて不倫を立証されることも

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――不倫の立証に必要とされる証拠となるのは?

「不貞行為があったことは、慰謝料を請求する妻側が立証責任を負います。そのための証拠はズバリ「肉体関係を持ったこと」を証明できるものです。

例えば稀ですが、妻が性交渉を目撃したり性交渉中に撮影した写真や動画というような強い直接的な証です。他には、何度もラブホテルに出入りしている画像や調査報告書、肉体関係があったことを示すメールやSNS・手紙等のやりとり、相手の家に長時間滞在したことを示す写真や動画、二人で旅行に行き同じ部屋に宿泊した領収書やクレジットカードの明細、不貞行為を認めた書面や録音・メールなどの、肉体関係があったことを推認させる証拠も使うことができます。

特定の相手と何度も連絡を取っている通話履歴・メール履歴は立派な証拠と思われがちですが、証拠としては弱いところがあります。でも、疑わしい小さな証拠ひとつひとつを積み重ねて立証する手も。持ち出しにくい夫の携帯は、画面写真を撮って記録することも有効なので、忙しくてなかなか家族と顔を合わせていない人だから奥さんにはきっとバレないだろう、という甘い考えで既婚男性と不倫をすると痛い目を見るでしょう。」

●相手の奥さんに支払う慰謝料は50万円~300万円程度のケースが多い

――それではその証拠をもとに、相手の奥さんから慰謝料を請求された場合、金額の相場はどのくらいでしょうか。

「答えは…ありません。というのも、慰謝料の額は、交際期間や不貞行為の回数、離婚したか、結婚期間や子どもの有無、不貞行為前の夫婦関係、妻側の落ち度の有無、不倫の主導者は誰か、不倫相手の収入等々たくさんの事情を総合考慮して変わるため、ケースバイケースと言わざるを得ないんです。 一般論では、過去の裁判例を見ると、以下のように50万円~300万円程度のケースが多いでしょうか。

・別居や離婚もしない    50万円~100万円
・不貞行為が原因で別居した 100万円~200万円
・不貞行為が原因で離婚した 200万円~300万円

ただし、個別の事情によってとてもバラつきがあり、500万円などもっと高額になることもありますから、あくまで参考程度にとどめてくださいね。

ちなみに不倫の主導者についてですが、例えば、女性の上司である年上の既婚男性が積極的に不倫に誘ったとすると、女性は断りにくかったということで、男性よりも責任は軽いとされて慰謝料の額が低くなる可能性があります。誘ったなどの不貞行為開始や継続に関する事情のほか、二人の年齢差や立場・関係等に照らして不貞行為の主導的立場にあると判断された方は、責任が重くなって慰謝料の負担額がUPすることもあります。」とのこと。

「好きになっちゃったんだから…」という考えで、気安く不倫に手を出した結果、相手の奥さんから高額な慰謝料を請求されてしまうことは珍しくありません。不倫による一時の快楽と後々受けるさまざまな深い傷、その点をよく考えることが大事でしょう。

(石狩ジュンコ)


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