自分で決めよう、子どもを持つ選択、持たない選択<後編>


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イラスト:ミヤギユカリ

前編では、結婚や出産をはじめ、現代女性は数多くの“決断”を迫られるという現状について説明しました。
後編では“子どもを持つ・持たない”を選択するときに、「納得のいく選択」をするにはどうしたらいいか、健康行動科学の観点からお話します。

>>前編はこちらから!

自分で決めよう、子どもを持つ選択、持たない選択<後編>

直感だけの判断は危険なことも

人生は決断の連続ですが、ほとんどは無意識に行っていますね。慣れた道での運転や日常会話にはあまり気を使わないでしょう。

私たちには「直感に近い自動的な」思考モードと「頭を使うような、注意力が必要な」思考モードがあるそうです。注意力が必要な判断は疲れるものなので、普段は直感や経験に基づいて、瞬時に自動的な判断をして生きています。

でも、人間の直感は万能ではありません。

・爽やかなコメンテーターの説明にはうなずいてしまう(見かけにだまされていませんか?)
・悪いことが起きてから、「前兆があった」と相手を責める(あなたも気付いていなかったはず)
・飛行機事故があると、つい電車やバスを使ってしまう(飛行機事故より電車・バスのほうが事故は多いです)
・「生存率90%」の手術より「死亡率10%」の手術の方が怖い(どちらも同じです)
・セレブが超高齢出産したニュースを見て安心する(少数の幸運な例でしょう)

こういった「認知のゆがみ(バイアス)」については、主に心理学や経済学で研究されてきましたが、近年は医療分野でも関心が高まっています。

子どもを持つか、持たないか、いつ何人持つのか。
人生の一大事ですから、直感だけに惑わされたり、刹那的な判断に陥らないよう、注意深く考えて決断したいですね。

情報に基づいた、納得のいく選択を

よく考え、納得のいく選択をするにあたって、キーワードを一つ紹介したいと思います。

皆さんは“リテラシー”という言葉を聞いたことはありますか?
もともとは“読み書き能力”を意味します。
ですが、最近ではその意味が広がり、“目標を達成するための情報活用能力”として使われるようになってきました。

医療現場では、健康に関するリテラシーが不十分だと、薬の説明書がわからない、初期症状に気付かない、医師や看護師に質問できない、など本人の健康に影響が出る可能性があり、最近とても注目されています。

反対に、健康に関するリテラシーが高ければ、健康情報をうまく手に入れて理解できます。そして、情報の質を評価した上で活用できるので、健康な生活を送ることが期待できます。
情報の「入手」「理解」「評価」「活用」はリテラシーの大事なステップです。

子どもを持つ選択・持たない選択でも、このステップを踏んで、情報に基づいた選択をしましょう。

1.情報を集めましょう
例えば、医療機関から、役所から、職場から、友人から、ネットや書籍から。
自分やパートナーの健康状態や生活習慣は望ましい状態ですか?
地域や職場からどんな支援が得られますか?
いろいろな情報が必要ですね。

2.情報を理解しましょう
病院や役所の言葉はわかりにくいものです。
理解できないことはしっかり質問しましょう。

3.信頼できる情報か評価しましょう
ネットの情報をうのみにしていませんか。
友人1人の言葉を信じ込んでいませんか。

4.あなたにとってベストな選択をしましょう

これから、このコラムでは、ベストな選択にあたって入手しておきたいさまざまな情報や、情報の評価方法、意思決定に役立つツールについて、幅広く紹介していきたいと思います。

前田恵理先生
1979年生まれ。2004年東京大学医学部医学科卒業。都内の医療機関・行政機関勤務を経て、平成28年から秋田大学大学院医学系研究科「環境保健学講座」助教。カナダの家族形成に関する心理的支援ウェブサイト( MyFertilityChoices.com)の日本語版ウェブサイト( http://myfamilychoice.jp)を運営。
参考文献:

  • 福田 洋, 江口 泰正 (編著) ヘルスリテラシー: 健康教育の新しいキーワード. 大修館書店
  • 健康を決める力 http://www.healthliteracy.jp/
  • ダニエル・カーネマン(著), 村井章子(翻訳) ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?  ハヤカワ・ノンフィクション文庫

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